Japan

まぁ日本企業はDX流行りです。「DX祭り」と言ってもいいでしょう。

一定程度の「ありきたりさ」を避けるために、各企業で使っているターミノロジーとして「イノベーション推進」とか「オープンイノベーション」とかも大きくは少し別の角度ではあるものの同じバケツですし、「スタートアップとの協業・共創」も「CVC」も同様です。

これは、間違いなく方向性としては悪くない。
というのは、「常に革新しなくてはいけない」というのはびじねす上間違いない方向なので。
但し、「どうしてそうか?」というと、そこには同業他社との競争があるし、デジタルを震源地として他業種との競業も激しくなるばかりだから、であります。

という意味において、一旦DXなどの祭りが始まると内部で調整や制度設計や、根回しや、資料作成や人事調整やでやんややんやしてしまう日本企業ですが、社内のことから一度落ち着いて社外において、もしくは社会として同じ方向に向かってきている太い潮流を見ると、「既に普通のDXでは差別化出来ない」ということになります。

これは、シリコンバレーに何百社と進出してきている日本企業を眺めたりだとか、その中の人とよくよく話したりだとかする中で、めちゃくちゃ確信するところです。
逆に社内・国内にいて「XXイノベーション推進室」とか「新規YY企画部」とかにいると見えにくいことなんじゃないかなぁとかって感じたりします。

そうなると、「じゃあ一体何をしたらいいのか?」という文脈において、「何がそもそも据え置くべき目的なのか」という話になるべきであるわけで。

それは、何回かぐるっと思考を廻すと、原点に戻り、「新しい事業・ビジネスモデルを作ろうね」ということになるはずです。ただ、それじゃ元も子もないので、もう一段ブレークダウンすると「ビジネスをトランスフォームしよう、それにより新しいビジネスを作ろう」ということになるべきです。それがBX

それだと、当たり前過ぎる、解決策になっていないのですが、個人的には「デジタルの力を使って、新しいビジネスモデルで、すぐビジネスを立ち上げられる能力を身につけること。そして、必要に応じてそれをすぐたためるような仕組みを作り上げること」だと思うんですよね。

終身雇用、根回し、調整、階層、資料重視、決めの細かすぎる商品設計、グローバル市場よろ国内で堅い数字を作ること重視、自社IT開発能力の欠如などなどなどが上記太字部分を達成するために、日本企業にとってdisadvantageousな事項として立ちはだかりますが、それらを克服して上記太字内容を作っていく、そしてそのための決意と、トップダウンの掛け声と、その後にドラを社内で鳴らし続ける推進役と、ビジョンをアホのように語り続けられるエバンジェリスト的な存在の人とが来たる時代に、というか「今まさに」求められるマインドセットとツールキットなんじゃないでしょうかかしこ。

Japan, Silicon Valley

宮田工業 ー ディスラプションにまつわるノスタルジア

Disclaimer: 私は現在モリタ宮田工業の利害関係者ではなく、株式も保有していませんし、ただ親父が宮田工業で働いていただけです。

実に久しぶりにミヤタのサイクリングシャツ(英語では cycling jerseyですね)を着てサイクリングに出かけました。ゆっくりと近所を見ながら、10km弱、気付いたことの写真を撮ったりしながら、カリフォルニアの春の最高の気候を楽しみながらポタリングのペダルをこぎました。

親父が宮田工業で働いていたので、このjerseyに袖を通すと、強烈なノスタルジアに襲われますのと、特定業界のディスラプションに思いをはせざるを得ません。

Wikipediaの参照ではあるのですが、

1893 – 国産第一号自転車の試作車を完成、販売開始。

とのこと、非常に自転車において歴史がある会社です。

私は1977年に生まれましたので、もちろんその長い歴史を詳細に知っているということはないのですが、流行る前からMTBがうちにありましたし、小学生の頃からトライアスロンやらされましたし、高校生の時はロードレーサー通学でしたし、自転車についてはとても恵まれた子ども時代でありました。

Wikipediaの沿革を見ますと、

1981年 – ツール・ド・フランスでピーター・ビネンがMIYATAのロードフレームで第17ステージ区間優勝、総合5位、マイヨ・ブラン(新人賞)を獲得。

1990年 – MTB世界選手権ダウンヒル部門でグレッグ・ハーボルトがMIYATAのMTBフレームで優勝。

とあり、親父が1990年くらいには海外出張に出ていたこと、その頃はミヤタも「社内ミニトライアスロン大会」があったこと、駆け出しのMTBが家にあったこと、など考えると80年代、90年代がミヤタの最盛期だったのだと思われます。

一方で、その後、中国産の安い自転車がどんどん輸入されるようになり、(私も個人的に「ダイクマ」などで目にしていました)結構商売が厳しくなってきたことは親父から聞かされていました。

その後、

  • 2010年 – 自転車部門を「株式会社ミヤタサイクル」として分社化
    • 8月31日、モリタホールディングスは、ミヤタサイクル株式の30%を台湾のスポーツ自転車メーカー『MERIDA』に売却。
  • 2014年3月、モリタホールディングスは、ミヤタサイクル株式の45%を「同社(自社株)」「シナネン株式会社」「台湾MERIDA」に売却。モリタホールディングスはミヤタサイクルの親会社でなくなる。
  • 2019年7月1日、モリタホールディングスが、保有していたミヤタサイクル株式の残りをすべて「台湾MERIDA」に売却。これを以ってミヤタサイクルはグループから離脱した。

とあり、ママチャリ→MTB→その他 とコモディティ化してきた自転車のビジネスが、1990年代に親父が言っていた通り、中国との価格競争において徐々に厳しくなってきて、2010年を皮切りに、その先の姿もイメージしながら資本政策を進めてきたものと思料します。

僕にとって、小5で参加したミニトライアスロンは衝撃的な経験だったし、30代からトライアスロンに参加し続けたのは間違いなくその影響だし、

箱根の山奥の温泉まで寒川からサイクリングで80km往復したり、アメリカでも60km往復してワイン2本買いに行ったりするcrazyさや、浦安から200kmのブルべに参加して心より楽しいと思ったりするのも、宮田工業のおかげだと信じているんです。

だけど、85年にはプラザ合意で急激に円高になってしまったし、中国は生産力を付けて低付加価値商品からどんどん日本に攻め込んできたし、結局ディスラプトされてしまった。

だから、今日もチャリには乗るんだけど、今日(こんにち)において出来ることは、どんな中長期的なディスラプションが起きても、なんとかやっていけるように、会社の仲間と、家族と、自分と守っていけるように、矛盾的かもしれないけど、「自分と自社をディスラプトすること」だと思う。

どうしたって、昨日の続きの仕事をしてしまうし、明日もそうなりがちだけど、ケンカしたって、嫌われたって、これは親父が、ミヤタが、教えてくれたことだから、絶対に学ばなければいけない。

それしか出来ないから。

それをしないと、いつか完全にディスラプトされる日が来る。
(よっぽど規制で守られている、とかでなければ。だけどそういう業界で働いてもそんなに面白くないんじゃないだろうかと思ったりもする)


このジャージはおそらくミヤタが1980年代にサイクリングチームを有していたときのもので、40年物だと思うんだけど、色々思い出すために、まだ着続けようと思う。

Japan, Startup, VC

出典:Wikipedia、CVCって大変だよね、的なごく最近の所感をこめて

非常に多くの日本企業が「デジタルトランスフォーメーション」「オープンイノベーション」を近年進めている。私は「デジタル一筋20年」というキャリアなので、全体的には非常に良い方向に進んでいると感じる。

その発展型として「スタートアップとの共創」があり、さらに踏み込んだ「スタートアップ投資」があり、それを体系立って行うのが「CVC」(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)である。

CVCがある程度の「行き着く最後のところ」だとしたときに、じゃあそれがすごく複雑なことかというと、仕組みとしては難しいことはなくて、企業が/一定の金額枠を設けて/スタートアップ投資する というだけであり、ファンド化するか、初回のみならず追加投資をするか、儲けだけ狙うか/戦略的なメリットも狙うか、外部からも資金を入れてLP・GP構造を取るか、というのは手段・戦術、オプションである。

ただ、後述するように日本企業の文化で、そもそもうまくスタートアップ投資〜CVCについて運営するのは非常に難しかろうと考え、日本でトップクラスの法律事務所の、トップクラスの弁護士の方(若いのに本当にスゴイ方。とても尊敬しています)に実際に従事する前にアドバイスをもらいに行ったことがある。(3年前くらいになりますね)

聞いてて非常に面白かったのは、
・この分野、日本企業からの問い合わせ殺到中
・何が目的か、やっている間にどこの会社も分からなくなっちゃうので、ローファームやコンサルにどんどん相談に行ってしまう(ほどに迷走したりする)
ということでした。

で、それから3年経って、周りの日本企業の話も聞いて、以下雑感です。
(特定企業の話ではないことに注意と、個別戦術の話はここではしないですが、また別の機会にでも)


やっぱり、何が目的かということに尽きる。

そして、この活動を通じ、「何が目的か」ということの議論が下手だということを日本企業が痛感する。

  • 目的は、企業によって同じではない。
  • ライフサイクルや景気サイクルによっても変わるはず。
  • たとえば、自社がAppleだったとしましょう。売上高は30兆円以上、業界ダントツナンバーワン、自社の事業領域でマーケットシェア世界1位の分野も多い。
    ➜目的は、数千億円もしくは数兆円レベルの新規事業の創出か。
    ➜この規模になると、自動車、金融、保険、通信など。
    ➜数千億円もしくは数兆円レベルの売上を生む企業の買収か。
    ➜2021年現在、普通のPCメーカーを買う意味は自社には、ない。
    など。
  • この活動を通じ、「何が目的か」ということの議論が下手だということを日本企業が痛感する。
    • 日本企業でよくやる「ボトムアップ」の集約で目的を定めにくい。
    • そもそも「集約して目的を定める」というのは実務的に困難。
    • ローテーションの存在から、1ポジションのマネジメントの在任期間が長くはないので、「今のマネジメントポジションでは波風を立てずに過ごす」というのが無意識的にも個人の目的化してしまう。
    • ローテーションしている場合、その業界・分野に明るくなく、目的を立てるほどの知見がない
      • 逆にGEのJack Welch等は自らの業界知見などから40歳半ばからCEOとしてガンガン目的を元とした施策を打ち出していた
    • だからトップから目的が降りて来ない
    • 結構、DXとかイノベーションとか新規事業開発とかっていうのは会社の中の優秀な人が集められる。頭がいい。
      だから上記みたいなことがすぐに分かって、その上で「目的も決まらないから、うまいことやっているように見せれば、この波も数年で過ぎるだろう」と分析して、それが実行できてしまう。
  • 下記は稲盛和夫氏の「生き方」から。2004年に初版された本だけど、15年以上経って、まだあるある状態なのが、逆に残念。

いままでだれも試みなかった前例のないことに挑戦するときには、周囲の反対や反発は避けられません。それでも、自分の中に「できる」という確固とした思いがあり、それがすでに実現しているイメージが描けるならば、大胆に構想を広げていくべきです。
構想そのものは大胆すぎるくらいの「楽観論」に基づいて、その発想を広げるべきであり、また周囲にも、アイデアの飛躍を後押ししてくれるような楽観論者を集めておくのがいいのです。
そういうとき、難関大学を出た優秀な人ほど反応が冷ややかで、そのアイデアがどれだけ現実離れした無謀なものであるか、ことこまかに説明してくれることが多いのです。
彼らのいうことにも一理あり、その分析も鋭いものなのですが、だからといって出来ない理由ばかりをあげつらっていたのでは、どんないいアイデアも冷水を浴びせたようにしぼんでしまい、できることもできなくなってしまいます。
そういうことが何度かくり返された後、私は相談する相手を一新しました。つまり新しく、むずかしい仕事に取り組むときには、頭はいいが、その鋭い頭脳が悲観的な方向にばかり発揮されるタイプよりも、少しばかりおっちょこちょいなところがあっても、私の提案を「それはおもしろい、ぜひやりましょう」と無邪気に喜び、賛同してくれるタイプの人間を集めて話をするようにしたのです。

  • 目的を議論する、というのは青臭いし、「週末どこに行く、夕飯何食べる」くらいの話でも夫婦ケンカすることが多いように、感情的な話にもなりやすい。価値観がぶつかるので。
    • だけど、終身雇用的な日本企業において、感情的な話をぶつけるのはご法度。この先も長く一緒にやるんだし、ローテーションがあるんだけど、この先、もしくはこの先の先で上司部下になったりするかもしれないし、部下上司みたいになっちゃうかもしれないから。みんな仲良くしたい。
    • それは日本人の美徳でもあるところが痛いところ。
    • だから、DXとかの前に、「目的議論のトレーニング」を徹底してやるべき。
    • 摩擦を恐れず、私利を捨て、全体のために本気で構成員が議論したならば、日本企業の中からも「そうですよ、もうガソリン車はあと20〜50年くらいで要らなくなるので電気自動車を『本気で』作って本気で売りましょうよ」という話が20年前に日本企業の中から出てきて、今のテスラの台頭はなかったでしょう。

まぁ、ちょっとこれ見てみましょう。
日本企業が、世界からどう見られているかということで、やっぱりなとw

  • だから、例として、よく目的論を下にも、もちろん上にもふっかけてみたりするんだけど、キレられたり、まぁまぁそんなこと言ってもという話になったり、要は「話にならない」っていうことが多いように感じる。
    • なので、個人的には社内ですごく嫌われていると思うw
  • とは言っても、そんなに難しいことかいな?? とも思う。
  • 基本的に要素としては下記、そしてそれらの組み合わせしか無い。
    1. 利益の創出/すぐ【優先度高】
      • 売上の増加➜スタートアップ〇〇の販売
      • コスト削減➜スタートアップ〇〇の利用
    2. 利益を創出/そのうち【優先度中】
      • 競争ポジションの強化
      • 競争力劣後の防止
    3. 利益創出に関係ない【優先度低:いくつかは大切かもしれないけど】
      • コンプライアンス、業法対応
      • 人手不足解消、残業削減
      • 業務効率化、一般論としての
  • ただし、1が簡単に出来れば世話ないし、理論上簡単にできるなら自社の売上高は30兆円を超え、Appleを抜き、時価総額世界1位になれるので、自分以外はみんな馬鹿だと言っているようなものなので、バカも休み休みにして、2に移らなければいけない。
  • 2をやるための方法論が「ディスラプティブなイノベーション」であり、詳細はクレイトン・クリステンセンの「イノベーターのジレンマ」に書いてあるんだから、少なくとも関係者は10回はこの本を読みましょう。
    • 書いてあることで重要なことは「今やっていることの延長線上のことをやっててもダメで、自分でディスラプトするくらいのことに取り組んでいかなきゃいけない」ということ、だと私は解釈しています。
    • だけど、それは、自社の既存ビジネスとカニバリを起こすだとか、そんな分野に知見がないだとか、そんなよく分からないことに人が割けないだとか、そんなのはアメリカのごく一部でやっていることだとか、とりあえず一笑されたりだとか、「そんな商品、今の営業マンじゃ説明できない」だとか、どうしたってITが必要になるけどうちの情シスは手一杯だとか、単価が安すぎて商売にならないとか、作ってもマーケティングのやりようがないでしょうとか、今のチャネルパートナーさんたちが激怒するので口が裂けてもこんな商品発売できないだとか、色々色々難しい話が出てくる。
    • だから、目的を徹底的に議論しないと、克服できない!
  • 2については「利益を創出/そのうち」なので、時間軸の設定は必要。
    • これはもちろん、自社の置かれた市場環境と、自社が持つ競争力、顧客の状況、関係する技術動向、関係する周辺市場(今いる市場だけではない)などなどが関係するので一概には言えない
  • 企業の中で「目的徹底討論ワークショップ」みたいなのを徹底的にやったらいいと思う。
  • それに関するコンサルテーションビジネスも有効でしょう。
  • 摩擦、熱い議論、ケンカ、気まずい沈黙、大いに結構。
    本業に戻ってからのリベンジとかは絶対にナシで、というルールで。
  • 日本人は「建設的に上下を超えて議論する」というのが苦手だと感じる。
  • 飲み屋ではやるんだけど、会社ではやらない。終身雇用的だし。
  • いや、うちの会社だって流石に目的ぐらいパワポに落としてあって、組織内で共有してますよ、何言っちゃってんの、という向きもあるでしょう。
  • だけど、それって、どこかの「なんとか戦略部」とかの若手がちゃちゃっとキーワード的に書いて、適当にマネジメントが「うんうん、それしかないね」とかって言って、結果的に日経新聞やYahooニュースでよく見るキーワードくっつけただけ、みたいになっていないか?
  • 本当に「いや、それはもうみんなやっているから、その先に行かなきゃいけないんでしょう」とか「それが出来たら苦労しないとみんな思っているんだから、当社はその下のインフラを作りましょう/その上のサービスで勝負しましょう、当面儲からないけど、歯を食いしばりましょう」とかそういうその先の話、苦い話を本当に心の底からしているか? 
    そこから生まれた目的か??
  • ただ、「とにもかくにも目的はなんとなくかもしれないけど設定されてはいるんです、それがうまく実行できないんです!」という企業も多くあるでしょう。
  • それは、「目的は階層化する」ということと「その下に手段がある」ということと「目的と手段の重複はある」ということを階層的に体系立って理解していない、ということになります。
  • 例えば 株価を上げる←売上を上げる←XX事業を強化する←YY製品の売上をZZ%増加させる←AA分野に詳しい営業マンを強化する+AA分野の開発に必要なエンジニアをC人増やす←営業事務所を拡張する+研究開発棟を増床する+営業マンの外出時の発生経費の処理システムをリプレースする
  • これは、「クリティカルシンキング」の分野であり、これも重要。
  • 米人や世界各国の人と話していると、「頭のレベル」というのは日本人は特に悪くはない。
  • 但し、日本企業の中の「上と下」という関係と、それを下支えする終身雇用的なシステムがクリティカルシンキングを大いに阻害している。
    • たとえば「上の人がこう言ってるから」
  • そして、頭の中は実際には覗けないんだけど(←この分野のテクノロジー出てくるといいですね!)、日本人は「体系立った論理展開に基づく話法」はかなり苦手。
    これ、ベイスポのインタビュー記事でも書いたけど、米人相手に英語喋るときにクリティカルです。(米人は結構露骨に話が分からなくなると眉を寄せる癖があり、そういう時にはよく分かるものですw あぁ、I’m not making myself clear now.. 的な)
  • 個人的には、会社の中の「仲良しこよし」はもう気にしないし、どうでもいい。
  • 人生の目的を達成する手段として働いているんだから、それに沿ってやっていく、個人レベルではその考え方が重要。
  • ちなみに、Moshさん、何が人生の目的なんですか?と聞かれると、それは稲盛和夫氏の「生き方」という本にすべて書いてある。
    その本を自分の人生の羅針盤として据えています。
  • 転職している人も最近多くなっている気がする。
  • 理由は、表面上は結構似たような内容で聞くんだけど(ジャンプアップのため、スキルアップのため、前から〇〇の分野をやりたくて)、実際には前の会社で「目的が見えなくなっちゃった」っていうのは多いんじゃないかな。
    • だから、目的をみんなで議論できれば、会社に必要な人材はリテインできるし、上記した時間軸において目的に合わなくなってきた人材は会社と人材双方にとって早めに別れた方が結果的にベターなので、悪いことは一つもない
  • CVCに転職している人も、少なくとも自分の周りでは、とても増えている。
    • 理由として、元々やっていたビジネスや所属していた会社のビジネスモデルに限界を感じ、新しくビジネスや産業を興すための投資側にまわりたい、という思考回路があると思う。
    • ただ、親会社があるCVCの場合、必ずこの「目的」に関する議論に戻ってくることになる。
    • これを、親会社⇔CVC間で効率的に、体系立って、ケンカせずに、一方でどっちらけにならないように、建設的に、頻繁に、高速に議論できるかがカギになる

また、人によって我慢強い人と、イラッちな人と、色々いるけれど、実際問題として、「これってなんの目的でやってるんだけっけ?」と聞いた時に、明確な回答が返ってこない場合、猛烈に腹の中で怒っている人もいる、っていうことだけは実務的に分かって欲しいですw

Japan, VC

Japanese as number ONE

We, as a part of Asian, are proud of ourselves.
There is no single reason that we should be hated, but even we had, I don’t care because there are so many great Japanese athletes, artists, and business person around the globe.
Here is a list of number one Japanese in various areas:
(Please note pictures and almost all of the descriptions are cited from Wikipedia to keep the fairness and protect copyrights)

Hideki Matsuyama
On 11 April 2021, Matsuyama won the Masters Tournament, becoming both the first Japanese player and the first Asian-born player to win the tournament. 
Among the four days, the best day was the third when he scored 65, but the most impressive one was the last day when he kept his lead with his great endurance.

Naomi Osaka
Not only the US Open 2020 that people in United States well remember, she has won 2018 one and Australian Open 2021 and 2019.
At the US Open 2020, Osaka walked onto the court for her seven matches wearing a different black mask, each of which with the name of an African American who had been killed in recent years often without significant repercussions.
Note that her name is pronounced as [neiomi] or [neomi] in US, but in Japanese it is [naomi].

Takuma Sato
Sato is a two-time winner of the Indianapolis 500, having won the event in 2017 and 2020. He was the first Asian driver to win the Indy 500.
Japanese is known as gentle, mild and kind, but he is really aggressive in the races and known for his motto “no attack, no chance” with regards to racing style.

Shohei Otani
Although he is at his early career, there is no doubt that he is the greatest pitcher/batter in MLB at present.
Who could imagine that a Japanese player throw a 101 mph fastball and hit his 450 yard homerun in a single game!

Ichiro Suzuki
Almost no need to explain Ichiro’s accomplishments since they have been enclaved in people’s memory –
MLB’s single-season record for hits with 262, Guinness World record of 4,367 hits in his professional career across Japan and the United States.
(I’m proud of being Suzuki thanks to him!)

Yuzuru Hanyu
Hanyu, who is called “Yuzu” as a nickname among Japanese, is the first Asian men’s singles skater to win the Olympic gold.
Upon winning the 2020 Four Continents Championships, Hanyu became the first and only male singles skater to achieve a Super Slam, having won all major competitions in his senior and junior career. Regarded as among the greatest male figure skaters in history, Hanyu has broken world records nineteen times.

Shinsuke Nakamura
Unless you live in the US, you may not know the popularity WWE, but it is huge here.
Nakamura won  WWE United States Championship twice in 2018 and 2019, respectively. On top of that,  WWE Intercontinental Champion in 2019.
He abandoned his stardom at  New Japan Pro-Wrestling which was unbelievable to fans in Japan back then.

Joji (@88rising)
Australian Japanese R&B, trip hop and lo-fi singer releasing songs from 88rising.
His debut studio album Ballads 1, which reached number 1 on Billboard‘s Top R&B/Hip-Hop Albums in November 2018 made him the first Asian-born artist to do so.

Steve Aoki
He is a Japanese American DJ known for his EDM music and enthusiastic showmanship.
He earned the Guinness record for “most traveled musician in one year” 2014.
Although he is technically not Japanese, the reason I wanted list him here was that since early in his career Aoki has been involved with various charities, and EDM.com named him No. 1 on their list of the eleven most charitable EDM producers. He is the founder of the Steve Aoki Charitable Fund, which raises money for global humanitarian relief organizations and medical research.
Note that his name is pronounced as [eioki] in US, but in Japanese it is [naomi].

Masayoshi Son
Among his numerous business establishments, the largest one in an industry is SoftBank Vision Fund – whopping $93B size. It was way bigger than all the US tech funds such as a16z, KPCB etc. combined in 2017.
https://www.vox.com/2017/9/21/16344764/softbank-vision-fund-venture-capital-tech-startup-investing


More to come

Japan Shopping Channel
Will deliver Japanese food/goods all across US in two days, first in the country. Enjoy the authentic Japan! [Coming in July]
https://japan-shopping-channel.com/

Japan Zinfandel Promotion Association
Best Zinfandel wine introductory website in Japanese to promote Californian Zinfandel’s “powerfruitness” to wine lovers in Japan.

Education, Japan

アメリカに住むか、日本に住むかそれが問題だ – 子ども編
  • うちにいる猫と一緒にいること(High priority for all of us)
  • 英語をnearly perfectにすること
  • アメリカ人のプロトコル・考え方をよく理解すること
  • 国際的な「勉強の仕方」を身に付けること
  • 大学はアメリカなど国際的な学校に行くこと➜これは親子でagreed
  • 将来、どこで働くか
    • 人口と所得が減る日本で働くことは得策ではない
    • 伸びている地域・国で働くことが最も良策
      • 働き始める10年後、どこの地域が最も伸びているか
        • アメリカ、EU、中国、シンガポール、その他アジア
  • 国際的な友人を作ること
    • どうやったら友人が作れるか学ぶこと
    • 日本人の友人は、「日本語補習校」に行けばすぐ作れる➜英語の勉強、学校の宿題踏まえ、どうするか要検討
  • アメリカ的な仕事を学ぶこと
    • スタートアップ、ベンチャーキャピタル、パティシエ、エンジニア、コーポレート・エンタープライズ等など➜将来の仕事の参考にする
  • テクノロジー、ソフトウェアを学ぶ
    • Python講習、Java講習、Scratch、Robloxなど
  • 自己管理、タスク管理をしっかり出来るようになること
    • 宿題などを通じて
  • 人生、山あり 谷あり。但し、自分の向かう方向性に、自分のキャリアが波を打ちながらも向かうことが重要。➜パパも実際色々あった

日本にいること

  • 友達が恋しい 
  • 親戚、祖母などが恋しい➜これはよく分かる
  • 快適
  • 飯が美味い
  • 安全
  • 「一時帰国制度」はある➜I-94の延長許可が降りることが前提
Business Idea, e-Commerce, Japan, Wine, Zinfandel

日本にジンファンデルの素晴らしさを伝えたい!
http://zinfandel.love/

I want to deliver Zinfandel and it’s “powerfruitness” to Japan!!

私が日本での普及の希望をもってウィキペディアに「ジンファンデル」の項を2015年に新規作成してから約6年、日本での知名度は残念ながらそれほど上がりませんでした。
2021年は再びカリフォルニアからそのパワフルな果実味の持つ素晴らしさを
一人でも多くの日本の方々にお伝えできればと思います。

http://zinfandel.love/

http://zinfandel.love/

Amazon, e-Commerce, Japan, Silicon Valley

アメリカのスーパーでピックアップをお願いしたら:ただ便利

何となくいつも日本にいた時の癖でスーパーには家族もしくは夫婦で足を運んじゃうんですよね。

但し、アメリカもCOVID感染者がが過去最高の1日30万人を超えて、少しまた行動様式を変えなきゃなと思ってたのと、

オンラインオーダー初回は$20引きとあったので、これはワインが1本買えるぞと、早速注文してみました。

着いたら電話するのね。
もし、ドンピシャのものが無ければ代わりのものでOKオプションをオンにしておくと、結構別のものが来る。

皮付きホールトマトの代わりに皮なし、それはいいとして、

リブアイステーキについては骨なしから骨ありかい! 重さが同じならめちゃ損するでしょうが!

アルコールも買えるのは便利。ちょっと高めのワインですが、YouTuberの必要経費?ということでポチッと。

日本のスーパーではあまりこのピックアップという形態はないと思いますのでご参考まで。

ビジネスモデルとしては$30以上の注文ではピックアップフィーは無料です。

オペレーションとしてはお店の中に、スマホを持ってお客からの注文をせっせとカゴの中に入れるワーカーの方たちが沢山いる、という状況です。

そして、店に着いたら指定の場所に車を停めて、そこから電話したら、トランクを開けておくように言われ、そこに荷物を入れてくれる。(自分の名前を伝えたり、アルコールが入っている場合、生年月日を言わされたりはする。正式には運転免許証を見せることになっているが今日は割愛でした)

特に、意識高い系のWholefoodsなんかでは、ピックアップ注文(オンラインデリバリーも)が多いイメージです。(=感染対象)

お店でのお客と店員さんの感染減に役に立つかなと考えた次第。

一方で、店舗で歩きながら献立を家族で考えたり、珍しいお菓子を見つけた娘が「ねえパパこれ買っていい?」とせがんできたり、妻が高めのワイン持って「これ面白そうだね」とか微妙な言い方をして間接的に欲しがりアピールをしてきたり、そういうのがスーパーのいいところでもあります。

アメリカのスーパーは大きいので特にそういうところがあるかな。

但し、今は少し店舗に行くことについて危機感のレベルが自分の中で変わってきていますね…

Education, Japan, Silicon Valley

娘の英語力の伸びにめまいが…(英検作文とその添削)

日本でいう小学5年生の娘が1月に英検準1級を受けるので、ライティングについて添削してくれと。内容を見るとめまいが… 渡米2年弱でここまで書けるのね… 親父も大変仕事で忙しく、最近全然見ていませんでしたが驚愕。

以下は原文と父親の修正案です。ネイティブスピーカーの方、もしアドバイスあればよろしくお願いします。

The below is the original writing of hers and dad’s correction. Native English speakers, if you have any suggestions, please do let us know!

条件/Conditions:

  • Write an essay on the given TOPIC
  • Use TWO of the POINTS below to support your answer
  • Structure: introduction, main body, and conclusion

TOPIC/お題:
Agree or disagree: High school education in Japan needs to be approved

POINTS:

  • Curriculum
  • Globalization
  • Pressure on students
  • Quality of teaching

回答および修正案

Despite the effort put into high school education, I think it needs to be improved for two reasons. One is globalization and the other is the quality of teaching.

Despite the significant (このような副詞を効果的に入れることで、言いたいことの方向性が分かりやすくなる。前に冠詞を入れたのはgood!)effort put into high school education in Japan for a long time(これも同様の理由で追記です), I think it needs to be improved for two reasons. One is globalization and the other is the quality of teaching.

First of all, globalization of students in Japan is important. Japanese high schoolers are not use to speaking English at this moment and that is not a very good thing. Nowadays, speaking English is becoming almost essential in businesses, and it’s much easier to learn foreign languages from a young age, so high school should teach to speak English more.

First of all, globalization of students in Japan is critical considering the changes in global market. (少し「洒落た」単語 (=critical) を使った方が「賢く」聞こえるのと、常に「どうしてなのか?」という観点を加えて書くと、理論的に聞こえる) Japanese high schoolers are not used to speaking English now (at this moment、と言うと「今この瞬間」という感じで文脈にそぐわない) after over six years of learning (背景を補足し、論理を補完することで理論的に聞こえる)and it is disadvantageous (not a very good thingというのは口語体に過ぎる)in this world (同上の理由で追記). Nowadays, speaking English is becoming almost essential in businesses, and it’s much easier to learn foreign languages from a young age (ここに冠詞を入れるかは日本人には判断難しいところ。ネイティブのディスカッションによると貴回答の通りで正しいようです。Which is correct, “from a young age” or “from young age”? [closed], therefore (この手の作文ではsoよりよりフォーマルなthereforeが望ましい) high schools should teach English speaking (英会話を教えた方がいい、ということであれば添削案かspoken Englishの方が良いでしょう。「もっと喋るように促した方がいい」というニュアンスでしたら lead students to speak English more なんていうのも少し洒落た言い回しでしょう)more to students(これは入れても入れなくても、というレベルではあります).

Second of all, quality of teaching in Japan is doubtful. Even top Japanese University, Tokyo University is not in top 10 of best asian universities. If Universities aren’t good, that means quality of high schools aren’t good either.

Second of all, the (2回目なので)quality of English (英語で書く時に、このように「言っていることが明確になるような語を足していくこと」を意識しましょう。日本語・日本人というのは文章において「普通分かるよね?」という部分と意識が大きい。ただし米人・英語ではあまりそれは望ましくなく、常に「理論的に考えて理論的に作文して理論的に発話する」ことを考えていきましょう。おとなになって大きな差がつくはずです。(親父はそこらへんは苦しんでいるところあります))teaching in Japan is skeptical. (doubtful, でも悪くないです。skeptical の方が要は強いニュアンスです。ネイティブによるニュアンスの議論はこちらを参照のほど。skeptical vs. doubtful
Even the (特定して書く場合にtheを付ける)top Japanese university (ここでは一般名詞), Tokyo University, (カンマで区切って特定し、特定を終わる) is not listed (語感として「入っていない」となるのでベター)in the (前述の通り)top 10 of best (topとbest では意味が重複する) Asian universities.
If those (東京大学みたいな、となりますね)universities aren’t good, that means the (前に言ったけど、みたいな冠詞の使い方になります)quality of high schools aren’t good either. (最後の部分は英語としては間違っていないものの、理論展開としては繋がりが薄い。高校が弱いということは大学が弱いというロジックですが、高校は強い/高校生はしっかり勉強する、だけど大学は何かの理由でしっかりした教育を提供できていない、日本の大学生はおそらく理由を知っていると思うけどちゃんと勉強できていない、ということはあり得る。
テストなので、そこまで考える必要はないかもしれないけれど、テスト受ける目的って一体なんだろう。
パパからすると、理論的に考えれるようになって、理論的に書けて、最後は理論的に英語で喋れるようになること、だと思うんだよね。だから脳みそから汗が出るほど考えてみよう)

For these two reasons, globalization of high school student and quality of teaching, I think high school education should be improved.

For these two reasons, the necessity of (理論的な文章になるように補完。同上)globalization of the high school students and enhancing (同様)the quality of teaching, I think the high school education in Japan should be improved.


親父も、渡米直前は英作文添削サービス「アイディー」を使って能力開発していましたが、今はサボっていますね・・

英文添削サービス「IDIY」を2週間使ってみて激烈に英作文能力が伸びた / Improved English composition ability drastically with a service called “IDIY” for two weeks
http://www.shosha-man.com/2018/08/idiy2-improved-english-composition.html

  

自分の子どもであろうが世界で活躍するスポーツ選手であろうが何であろうが、正当な努力に対しては、父親であろうがコーチであろうがまっとうな敬意を評したい。
親だから、「まだまだ、なってないな」と言い続けるというような昔っぽいテクニックについては最小限にすべきだし、今はGoogleとYouTubeなどで何でもつまびらかになってしまうので、そういう小手先のことをやってもしょうがない。

努力する者に幸あれ。よく頑張っている。Great job!!

   

上記が、君の添削依頼に対する回答です。URLでGmailで送っておきます。ブログの形で悪いけどw

Japan

日本人、アメリカでもっと出来る、出来る、出来る from 打瀬舟航海@Point Arena

2020年の最高の名言は勝手に煉獄杏寿郎の「うまい!うまい!うまい!!」だと思っていますが、表題の件です。

先日、North CaliforniaのPoint Arena Fishing Pier を歩いていた際にたまたま見つけた碑が下のもの。

調べてみると、愛媛県 八幡浜市からはこのように一攫千金を狙い、シアトル目掛けて航海し、ちょっと外れてサンディエゴ着みたいな男たちが絶えず出ていたとのこと。
http://www.city.yawatahama.ehime.jp/docs/2014082600025/

カリフォルニアに数年住んでいるものの、寡聞にて知らなかった。


現代の企業活動の中では、どうしても規模の追求、リスクマネジメント等が先に立ち、機動的に、上記と下記の碑にあるような「気骨のある」「進取な気質で」物事を進めていく、というのがなかなかどうして難しかったりもする。

但し、そもそもスタートアップとの向き合いなんていうのは、こういうadventurousなentrepreneurshipの「取り込み」にある訳で、結構本質から逸れてきちゃっているようなケースもあるのかなと。

このような「勇者」の碑を見て、日本人、本来はもっともっと出来るはずだと思ったし、自分から「渡ら」ないといけないなと強く感じました。

先人の勇往邁進に敬意を。それを胸に、2021年、自らの行動に反映を。

Amazon, Business Idea, e-Commerce, Japan, Silicon Valley, Technology

Shopifyで1時間でECサイトが作れ、実際モノが売れて、買えた

どうしても、アメリカでビジネスが作りたいです。アメリカ駐在の商社マンなんだから、当然です。(但し、ここら辺の基本原則的な考え方は揺らいできているようにも思う。)

Straightforwardな方法論としてはECがある。(ちなみに、アメリカの人はECとは呼ばないので注意が必要) 

市場背景として下記の商務省のデータのように直近2四半期で40%程度も伸びている。絶対額としてECで$200B以上の話をしているので、もはやクレイジーな伸び率・増加額だ。

では、何を売るにしても、商いはまず丁稚から、ということでShopifyのサイトを作ってみることにした。

下記にスクリーンキャプチャが長々と並ぶので結論から言うと、サイト構築、課金、発送、集金、非常にスムースでした。流石、$140Bの会社だけある。

システム、プラットフォームとしても大変使いやすく、よく設計されていて、作業もスムーズ。機能もよく考えられており、まとめ方、分け方、管理の方法など、素晴らしいですな、という内容でした。

システム開発やったことがある人は分かると思うんだけど、実際に作るっていうのは結構大変で、機能の作り込みをするのはまあ数日くらいで終わったとしても、その機能のテスト、(ユースケースをよく考えた結果として複雑となった)他の諸機能との連携テスト、他の外部システムとの連携テスト(特に最近は外部クラウドシステムとの連携が非常に多くなった)などテストが大変だから、日本人が大好きな「自社で何でも内製する」っていうのはこのレベルになると超大変。

もう使わない手は無いと自分でも感じたし、投資先のスタートアップのCOOで何社もスタートアップを渡り歩いたベテランで、今は会社の$30Mくらいのオペレーション全部見ている人に「Shopify使っているみたいだけど、どう?」と聞いたところ、「非常に優れている」という回答でした。Great.


いつもの通り、自分の記録を兼ねて書いているので、長々としているのですが、最初の部分で発送して(自分で)受領するというマッチポンプ作業の部分について触れています。
その後の部分は長いシステム設定、サイト公開のプロセスです。

ちなみに、Shopifyのサイトの出来はすこぶるいいですが、私がこのテストの目的(と自分が着る目的)のだけに作ったポロシャツ自体は非常に出来が悪く(Thanks to Vistaprint…) 買う価値が無いのと、発送処理は地味にメンドクサイので、決して発注しないでください!


これが出来上がりのサイト。ちょっと見にくいですが、日の丸を胸にあしらったポロシャツが販売製品です。テストなので必要はなかったのですが、実際に商品も作ってみました。

これが発送商品(訳あって、作ったポロシャツではありません、なんのこっちゃい)

で、それをパッキングして、

家の玄関ポーチにぽんと置いておいた。USPSによる集荷です。楽ちん。(その設定方法については下記の下の方に説明しています)

で、午前中に集荷人が来て持っていってくれた。
(絶対見ないだろうと思っていたら、「おい、これ宛先お前んちじゃねえか、大丈夫かこれ」と聞いてくれて「問題ないから、持っていってくれ」と寺尾聰のルビーの指環(若い人は絶対に分からない)状態で集荷してくれました。

で、翌々日にはポストに配達されていた!

これで「モノの流れ」の部分は以上です。
残りは、システムの設定方法についてです。よく機能が作り込まれている。


最後のThis store is a registered businessのオプションは面白い。何かの判別か表示か、もしくはIRSとの連携などに使うのでしょう。(ビジネス上は要注意ですな)
もう設定のトップ画面に入れた。
今回は一番安いBasic Shopifyを選択。
クレジットカード手数料と送料が安くなるのね。
通常の法人でやるようなビジネスなら「Advanced Shopify」が適している、というように見ています。

実際に、コモディティに近いようなものをECで販売するとした時に、返品、値引き、倉庫、発送業務、管理人件費、仕入に関する人件費、家賃、金利、システム開発、減価償却費、そしてマーケティング費用・広告費(これが馬鹿にならない)を引いていくと、バラ色のボトム利益は中々生まれにくく、P/Lの上の方の決済手数料や送料がどのくらいのレートなのかは、ECビジネス採算管理の肝ですね。

で、これが有料コース(30日無料)の選択が終わったら、もう販売商品の登録に移ります。

ちなみに$31.44というのが自分がVistaprintで作ったポロシャツの原価。
HSコード入れられるとは、渋い。海外発送を要件としてデフォで入れ込んでいる形ですね。
サイズなどのオプションの設定も容易に出来る。この前の画面で選択した「Clothing industry」が効いているのか。
とりあえず複数種類設定してみた。SKU(型番)も手動だが、設定できるこのニクさ。
SEO対策として、Googleに掲載される内容の確認もできる。
で、リンクをクリックしてみたら、もうこんな画面になるというのが確認できる。速い。
在庫数の管理も出来ます。
仕入業者・ベンダーからの納入、自社他倉庫からの在庫移動もここで管理できるようです。
この点はもう少し研究が必要も、ビジネスオペレーション上は肝の肝になりそうです。
Collectionsって何よ?と思い調べましたら、下記の通り。よく考えられている。

https://help.shopify.com/en/manual/products/collections

You can group your products into collections to make it easier for customers to find them by category. Here are a few examples of collections that you might create:

  • clothes for men, women, or children
  • items of a certain type, such as lamps, cushions, or rugs
  • items on sale
  • items in a certain size or color
  • seasonal products, such as holiday cards and decorations
ダッシュボードで、コンバージョンレート、リターン率など含め諸々管理できるのね。
外部ツールを使わなくてもいいくらいなのかも。優秀ですな。
マーケティング結果分析ですな。これが何とどう繋がっているのかは更に要研究。
BFCMって何よ?と思いましたが、Googleが下記の通り、Black Friday/Cyber Mondayだと教えてくれました。ちなみに2020年のShopify上での結果は、$5.1Bだったとのこと、凄まじい金額です。

Black Friday Cyber Monday 2020: An Analysis of Over $5.1 Billion in Sales
https://www.shopify.com/blog/bfcm-data

Shopify store owners collectively made a whopping $5.1 billion USD in sales between Black Friday and Cyber Monday globally, up 76% from last year.

Shopify Blog
ECサイトへのアクセスにパスワード許可、って何か悪いものでも販売するユースケースかなw
Google reCAPTHCAを問い合わせフォームに組み込める、っていうのはいいですね。個別に組み込むとどうしてもテスト工数がかかっちゃうので。
GDPR, CCPA 対応! こういうのもスタートアップソリューション沢山ありまして、自分のところの会社群のビジネスのために色々調べていた時期がありました。こうやってECプラットフォーム内に作り込まれたら本当に楽ですね。脱帽。
なるほど。
ちょっとFacebook Pixelについては勉強します。
そうですね。これも必須ですな。
ちょっとドメイン管理サイト側でDNSの設定とか必要なので、とりあえず手を抜きましたが、これはもう必須ということで。
FAQだとか、個人情報取り扱いの扱いだとか、紐付く個別ページを作れるのですね。
各々のページについてSEOの管理出来るのもニクい。

そして、「ホームページ」の設定に移ります。(英語では「トップページ」の意味なので、注意が必要)

コレクション、を自動で作れると。なんて便利なの。
ファビコン設定していないサイトは、とっても素人的に感じます。
これも必須ですね。
これは、ユーザーに対する通知? ショップオーナーに対する通知?
これ、結論から言うと下手な設定しないほうがいいです。少なくともサイズをちゃんと守らないとレイアウトがぐちゃぐちゃになってしまうんだと思います。
この後画面サンプル出てきますが、ひどい仕上がりになりました・・
これは中々手の込んだ設定ですね。ショップオーナー寄りの仕組み、と言えるでしょう。
ここら辺も、作り込んでテストするのはメンドクサイです。
出来てて、他サイトで実績が(金額にしてBFCMで$5.1Bトランザクション分も)あるっていうのは大変いいですね。
ここで、自社サイト(?)での(Shopifyでの?)アカウント作成の要否を決められますね。
これも仕組みとしては非常にきめ細かい。
購入のキー項目は電話番号か、Eメールか。電話番号、というのはSMSテキスト利用が普及しているアメリカチックだとは感じます。(日本はそうでもない。但し、メールも近年非常に多くて、インボックスを管理できないほど、という人は多いハズで、SMSテキストは非常に助かります)

で、あらかた出来たので、実際に自分で買ってみることに。
まあ、明らかに経済的にはShopifyに手数料抜かれるだけなんですが、そこはテスト必要経費だということで。

ADD TO CART してみる
入っている
入っている
前述の通り、背景設定に失敗しています・・・
送料は$4.9ですが、その原価は$1.8であり、差額は利益になりますね。
(今回は自分の中での「行って来い」になりますが)
チップの支払いも出来るのですね。流石。日本ではこの機能要らないでしょうが。
合計は$36.65也。
で、あっさり購入完了。
ありがとうMasashiって、俺が売って俺が買ってるんだよw
で、購入ありがとうメールが「購入者であるMosh Suzuki」の方に来ている。

で、EC出店者としての私に注文が来ましたよ、発送処理をしましょうねメールも同時に来ている。

ステータスはUnfulfilled=未処理になっている
但しもう顧客側では「支払い済」になっている。
クレジットカードには請求がもう来ている。速い!

画面の下側に取引の今までの流れ、Timelineが表示されている。
これは沢山注文があるとこんがらがりやすいでしょうから、非常に役立ち機能と言えるのでは。
発送ラベルを作り、発送方法、発送日などまとめてこの画面で設定します。
これがすごい。UPS(上場企業)、USPS(公社、通常軽いものはUPSより安い)などと完全にシステム連結している。
荷物の重さ入れて、一番安いUSPS First Class Mailにした。
で、荷送り状=Shipping LabelがPDFで作成された。ファイルで保存しておけるのも便利かも。
上下逆にしてあるのは、プリンタで印刷した時に順向きに見えるから? そうだとしたら、設計としてきめ細かいですね。
このFeeの部分が、クレカ決済手数料含め、Shopifyに払わなくてはいけない部分で、冒頭の通り、Basic Shopifyだと2.9% + 30¢で、計算方法としては手元の計算によると、商品本体金額+送料+チップ、全部の合計に2.9%を掛けているようです。クレカ決済手数料の名目なのでそりゃそうだといえばそうですが、なかなかしっかりしていますな。
で、USPSまで行くのがメンドクサイ(自分の家に発送するわけでして…)ので集荷をお願いするとこのような確認が。うちは猫はいるけど、犬はいません。
時間指定は$24かかる… それでは完全に採算割れ。
これで入力事項は終わり。
手配完了。
この後、冒頭にあったように荷物を玄関前においておきました。

で、ちゃんと入金口座をShopifyで作りましょうというメールを送ってくれる。
具体的には銀行口座の設定や、支払いを受けられるクレジットカードや電子マネーの設定など。
支払いの受領関係の設定。入金されないと、自分のお金が返って来ないから!
ここら辺も支払い方法が揃っており、素晴らしいですね。
こんなんまであるんかい!
Capture、計上、ってことですかね?
取引状況の確認もできます。Transactionsの項。
PayPal払い・受けも出来ますね。
但し、Paypalビジネス口座を作らなくちゃいけないらしく(IRSのからみとか、マネーロンダリング防止などのためでしょう)今回はやめておきました。
Shopify Payments、受け口座の作成の完了です。
ここら辺の、お金廻りの面は従来作り込みや連携が大変だったですが、今は本当に簡単で素晴らしいですね。テクノロジーの進化。

割引機能も調査してみました。
これもキメが細かいですね。割引として率か、固定金額か、送料無料か、○個買ったら▲個無料か、など。
こういうのも機能を自分で作っていくのは大変です。よく出来ている!
誰が何回割引使えるかの設定ですね。これも素晴らしい。
で、割引を作ったら、それをSNSやホームページでシェア出来る。
Facebookでシェアしてみました。どうか注文しないで…
このリンクをクリックすると、1%割引が適用された上で、サイト上で商品がカートに入っている!

集荷人の方、大変お疲れさまでした。ご協力誠にありがとうございました。
丁寧に集荷完了のメールをUSPSが送ってくれました。
アメリカは配送廻りはかなりDX進んできたイメージです。

で、発送のページを見てみると、USPSとシステム連携されているようで、即時に「Fulfilled」(=発送済)のステータスになっている。
上記同様。
入金を確認するまでが、取引だ! というのは商社に入って最初に「取引の基本」講座やリスクマネジメント講座で教わることです。
ちゃんと、今回の売上(Shopifyフィーとのネット)$35.29が入金されていました。

今回使ってみて、EC関連でよく聞くShopifyが実際どの程度使いやすい、使えるシステム、プラットフォームなのかよく理解できました。機能性という観点では申し分ないと思います。

今後の同社の戦略としては、下記の通り取扱高、出店者、パートナー・チャンネルの3つの分野に分解した上でそれぞれを伸ばしていく、とのこと、今後も大変成長が期待される企業と言えると思います。

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