crypto, NFT, Technology, web3

たまに「コールド」「ホット」ウォレット、という単語をクリプト(とNFT)の文脈で聞くことがあるかもしれません。

これは仮想通貨ウォレットのアプリやブラウザープラグイン経由でインターネット上でクリプトを管理するにあたり、別に鍵などを保存しておくデバイスとその仕組みのことを指します。

今回は「コールドウォレット」について実際にセットアップして使ってみましたのでそのレポートです。

前提として、今、Web3・NFT・クリプト・メタバースがメディア・エンタメ業界でバズワードになっていますが、そもそもそれらの親概念であるWeb3って何がどうなるんだっけ?と考えた時に、私の整理は以下の通りです。

  • ログインが簡素化 →ブラウザーの仮想通貨ウォレットを多くの人が使うようになる
  • 支払いが簡素化 →一方でウォレットのセットアップは簡単じゃない
  • データが壊れない →今データ消滅事故とかほとんど聞かないですが
  • 匿名化が出来る →これは良し悪し。またdoxxingも結構ある
  • コミュニティーを作りやすい =Discord。但しDiscord自体はめっちゃweb2.0
  • NFTと絡ませやすい =マネタイズがしやすい

ただし結局はサービス提供者側から見た時には、広告収入か課金収入によるマネタイズが重要で、後者は支払いが伴い、それがクリプトになる、ということですからその「お財布」については極めて重要。

間違いなく今後、ハッキング事例も増えてくると思いますし、それこそ社会問題になるレベルになるかもしれません。

今はパソコンにウィルスソフトを入れるのが常識になっているように(Macは別)、コールドウォレットを使うのが普通になってくるかもしれません!?

という前提が正しかったとして、次のハードルは「その使い勝手がいいか?」という点になる。その点はいつもの通り「使ってみないと分からない」のでやってみた。


San Joseのweb3ネットワークイベントに行ったら、lotteryがあり、80人の中から一等賞としてコールドウォレットが当たった!

Arculus by CompoSecure

https://www.getarculus.com/

CompoSecure 自体はNASDAQに上場しており、Market capは$100Mちょっと。(かなり小さ目ではある)

非常に凝った梱包であり、感心した。

本体は下部のメタルカードであり、この中にNFCチップが入っており、鍵の役割を果たす。

大胆かつ冷静(コールド)であれ、と。

スマホにアプリを入れて→カードキーでNFCで認証して→アカウントセットアップ→ウォレットセットアップ の流れ。

シークレットコードを書き留めるための紙も同梱されている。

結局、外付けハードウェア(NFCカード)=コールド(対して、電源やネットワークで常時接続されているタイプを「ホット」といいます。これはもう数十年ITの分野ではこういう呼び方)なのでセキュアだ、というのは理解しやすいですが、全体的なセキュリティの仕組みは何なのか?

=3 factor authentification

2 factor authentification (2FA)というのはアメリカではSNSサービスが普及していることもありデフォルトになってきていますが、今回は、

  • パスワード(6桁数字)
  • シークレットリカバリーフレーズ(クリプトウォレットで一般的)
  • NFCカード

ということになります。

上記した仕組みにおいて、メタルカードのNFCスキャンが必須なので、スマホにアプリをDLします。

で、カードとペアリング。

次に6桁数字パスワードを設定。

次にシークレットリカバリーフレーズ。

スクショ撮ったんだけど、中身が自動で非表示になったのには感心した。

その確認。

上記と同じく、スクショ撮ったんだけど、中身が自動で非表示になったのには感心した。

でセットアップほぼ完了。

中に入って、どのトークン、クリプトを管理したいか選択します。

試しにMETAMASKから0.001ETHを送ってみたらすぐ反映された。

で、これらの残高を引き出したり確認したりする際に、アプリを立ち上げると、最初に「カードキーをタップしてくださいね」と表示される。


ということで、上記した「使い勝手」の部分については、カードキーのタップだけなので、接続がイチイチ面倒くさいUSBデバイスなんかと比べて全然良かった。

ちょっとHPに書いてある「アプリにログインするのにFaceIDなどのバイオメトリック認証が必要で、それもセキュリティを高めている」の部分がアプリの利用導線上どこに出てくるのか分からなかったですが・・・(上記の通りアプリ利用時にはカードキーでの始動となっているので)

それにしても、私の仮説としては、「web3になって便利に使えるようになったね」というサービスやアプリがいくつか今後出てくる中で→クリプトウォレットが普及し→その中に入れるクリプト残高が結構な額になっていって→それを狙ったハッキング事象が出てきて→ニュースになって→Web2.0で2FAをデファクトにしてきたように、Web3でも何か追加セキュリティを入れなきゃ駄目じゃね?(特にコーポレートユーザーなど)となってこういうサービス/デバイスが普及すると思います。

Arculusにはぜひとも頑張って欲しいです!

NFT, Silicon Valley, Technology

NFTを自分で作ってみて学んだこと – 44歳非エンジニアの手習い

先日、ウクライナ支援用で、日本の招き猫をテーマにしたジェネラティブアートNFTをOpenSeaでリリースしました。

[Donation] Welcoming Cats Save Ukraine Stop the War and Putin!!

https://opensea.io/collection/welcoming-cats-save-ukraine/

仕事はテック系VCですが、非エンジニアかつ文系なので体調がおかしくなるほど大変でしたが、、仕事のかたわら1ヶ月で作ることが出来ました。

技術的に内容が完全に正しいかどうか微妙なところはあると思いますが、これからジェネラティブアートNFTを作りたい方などのために学んだことを下記します。プロセスの最初から終わりに向けて並べています。最後に所見なども。


イラスト

若い時にIllustratorとPhotoshopをかなり触っていましたが、また学習し直す時間がないのと、そもそもかわいいイラストが書けないので、気に入った招き猫のイラストのHPを探し、直接交渉しました。
このイラストレーターさんが非常にいい方だったのが、まずラッキーでした。

支払い=PayPal

私は今アメリカに住んでいますので、日本にいるイラストレーターさんへの支払いは、頭痛の種の予感がしていました。(一つには、海外在住社に対しての邦銀のネットバンキングが非常にクソいというのがあります) 但し、今回PayPalでいいですよと言ってくれて非常に助かった!
細かい話ですが、普段使っているアメリカのPayPalアカウントだと毎回為替手数料が結構ボラれるので、面倒でも日本のPayPalアカウントから払うことを覚えました。とにかくアカウント名ベースでものの1分で支払いが出来ますので、フィンテックの雄、本当に助かりました。

ジェネラティブイラスト

もともとは100個くらいのイラストを書いてもらおうと思っていたのですが、ジェネラティブの方が全然いいじゃんか、というのは後から気付いたのは計画性のなさ・アホの極みだと思い、しばらく落ち込みました。。
そこから追加費用を払い、当初の10イラストを部品化し(=追加費用)、さらに10イラスト分を追加し、計算上10億個くらいのジェネラティブアートが作れるように準備をしました。
ただ、イラストレーターさんとちょっとしたミスコミュニケーションや誤解があり、アクセサリと手が重なってしまう、などの事態が何回か起こったのでその都度協議して、追加費用も払ったりしながら修正していきました。
個人的にここら辺は過去の仕事で感情的になってこじらせることが何回もあって、ただもうかなりの中年になってきたので、建設的な会話が出来たのはとてもよかったですし、そもそもイラストレーターさんが非常にいい人だったというのもありました。

ジェネラティブイラスト生成

このGithubからソースコードを入手して、YouTubeビデオを見ながらVS Codeで必要な修正をして、バッチを回します。何回か上手く行かなくてまた精神的に落ちたりしたのですが、上手くいったときはそれはうれしかったですね〜
非エンジニアによる、ソースコード作業の最大の弱点は、「エラーメッセージが出ると心の底から怖くなる」ということかなと個人的に思っています。震える… まあ、今回何回もエラーが出たのでいい加減慣れてはきましたが、やはり「それが何を意味しているのか」を読み解けない、チュートリアル以外のことは出来ない、というところからこの恐怖感が来ています。

ソースコードの生成(メタデータ生成、IPFSへのデータアップロード、ミンティング)

これも上記の通りGithubからソースコードを入手して、上記のYouTubeビデオを見ながらやったのですが、ここで大きな大きな落とし穴があり、私を軽いうつ病へと陥れた罠が!
ビデオの中では「このビデオの通りに作業すべく、このビデオで指定したバージョンのコードを使ってね♪」とあるのですが、結局結構な数のバグがあったり関連するモジュールの変更があったりして、最新のソースコードを使ってやるべきだったのです。そうするとビデオの内容と差が出てきて、何とかやりきるしかないですがクリティカルなバグを包含したバージョンでは前に進まないので、やはり最新のバージョンを最初から使うべきでした。

その意味において、最近新しいチュートリアルビデオ Version2がリリースされたので、こちらを絶対に見るようにした方がいいでしょう。

とはいえ、NFTのメタデータとはどんなものか?そしてそれがOpenSeaなどでどう反映されてどのように見えるのか?というのが分かったのは大きな収穫でした。なるほどね〜〜と。

また、web3ではなくてはならない「IPFSについても、メタデータと自分の子どものような作れた画像をアップロードすることでURL形式だとかそもそもの仕組みだとかもよく分かりました。

さらに、そういう作業を通じて、NFTにおける「オン・チェーン」「オフ・チェーン」って何なのか??と調べた時に、書いてある説明文が自分の中で咀嚼できるかどうかというのは、こういう作業なりを通じてベースの部分が心底理解できるかによる、と思っています。ぐらぐらな土台にグチャッとしたものを乗っけて、さらにその上に・・・とやっていくと何が何だか分からなくなってしまいますが、土台(=この場合データレイヤー)をしっかり理解できたことで、まだ何とかその上位の概念が理解しやすいというのが、テクノロジー全般に言えることですがとっても大切なことかなぁと44歳のおっさんになってもいつも思うことです。

Rinkeby Test ネットワーク

何か、Rinkeby TestネットワークってTwitter経由申請とかってめんどくさくない?そもそもそれ使うことで更に面倒が増えるだけじゃない??とかって思ってたけど、そんなことは全然なかったw
単に思い込み、ということがどれだけ多いことか!

スマートコントラクトにおけるAPIサービス

これはまだ十分に理解できているわけではないんですが、、自分で一からスマートコントラクトを作って、ウォレットアドレス、トランザクションハッシュ、IPFSのURIなどを全部紐つけながらまとめていくのは自分には超難しい〜不可能なレベル。

それを一纏めにやってくれるのが、APIサービスとしての NFTPort。これがなかりせば、今回完成にはたどり着けなかった。

他にも色々サービスがあるんだと思うけど、もっと使いやすいのが出てくるだろうし、ここら辺のユースケース、使い勝手、料金(月額99ドル払っています)などで思考を繰り返していき、ディスラプションや最適解を考えていくことで、自分のVC業における投資チャンスなんかもあるんじゃないかと感じた。(これ、仕事観点ではとっても重要です)

ミンティング

個人的に、いくつかNFTは手動でミンティングしていますが、プログラムでバッチミンティングしたのは初めて。上記の理由とその他色々な理由で途中でエラーが出まくりましたが、何とかバッチが回り、
#1 minted!
#2 minted!
とメッセージが出たときはちょっと感動しましたw
今回のNFTはPolygonで作っているため、ガス代がかからないのもポイントです。(NFTPort自体がEthereumをサポートしていないというのもある。なぜなのか!?)

OpenSeaへのリスティング

ジェネラティブなNFTを作った後に、「バッチでOpenSeaにリスティングする」方法がいま無いのです。。これは間違いなく今後対応されると思いますが、方法は2つです。
1.マニュアルで全部対応する
2.マクロツールを使って自動で画面操作をする
上記は方法論ですが、今回の目的はウクライナ支援に定めたので、多く払える人・少なく払いたい人両方から寄付を受けたいと思い、1ETH/0.1ETH/0.01ETHの3種類の価格設定にしました。
そうなると今回の100体くらいだと2はそれほど効率的でもないので、またトラブルでお腹を痛くするくらいなら…と1のマニュアルで対応しました。かなり神経を使いますが、1時間半くらいで完了したと思います。

2については同じくcodeSTACKrからのチュートリアルビデオがありますので、参考にして下さい。

その中で使っているマクロツールはMini Mouse Macroというもので、勉強のために自分でも動作させてみましたが、上手くいったり上手くいかなかったり(主にページ読み込みなどの時間との関係で、各種マクロ動作が間に合わないとマクロが正常動作しない)で、この分野はしっかりとした専用ツールのニーズあるんじゃないかなあと思います。

また、メタデータで個々のNFTに付随する説明書きと、コレクションのページ全体に書かれる説明書きは別で、後者は https://opensea.io/collection/(コレクション名)/edit のURL下で編集することになります。

メタデータのフリーズ

メタデータのフリーズ(以降、まったく編集不可に固定すること)については、NFTPortを利用する場合は設定画面上明示的に設定する、とチュートリアルにはありましたが、その作業を行った記憶はないのに、メタデータはある時点でフリーズされているようでした。
この点は謎が残っています・・・

レア度が未設定!

これは、NFTとして致命的なミスですが、知り合いのNFT・メタバーススタートアップのCEOの方からご指摘頂き判明しました。(ありがとうございました!)
チュートリアルビデオに、そのステップがなかったので…という言い訳になってしまいますが、この点は絶対に次回以降改善しなくてはいけません。

ウェブサイト

http://welcoming-cats.xyz/

3年ぶりくらいにウェブサイト作るもんだから、AWS Lightsail+Wordpressで作れる、ってことをすっかり忘れていて、何をとち狂ったか、AWS EC2 で最初作ってみたけど、作るのは大変だし、相当ランニングコストが高い…と思いながら作っていて、Lightsailを思い出した時点からまた軽い鬱っぽくなってしまった…
個人的に、Wordpressというのはどうしてここまで流行ったのかまったく謎で、バグだとか使い勝手だとか沢山あり、どうにかならんかとは思っているものの、新しいプラットフォームを使う気にもならず、WPにした。(ちなみにこのブログもWP)
で、買ってきたテーマがレイアウトはまぁまぁなものの、buggyで、今もバグが残っていて、本当に腹立たしいのだが、もう、ちょっと放っておいている・・・

SNSアカウント

https://twitter.com/welcomecatnft
https://www.instagram.com/welcoming_cats_nft
https://discord.gg/Qb4XGYb8tg
https://vm.tiktok.com/TTPdSBDk9K/

アカウントを作るのは大変ではないですが、個々のアカウントにそれなりに説明書きや写真をアップロードしていくのはそこそこ手間ではあります。

ただ、TikTokはおじさんとしてあまり使わないものの、今回こんなビデオが簡単に出来ちゃうというのは、「ビデオエディターとしてのTikTok」に感心しました。音楽はたまたま我々が投資している88risingレーベルのRich Brian “History” で、めちゃめちゃクールに仕上がりました!

@welcoming_cats_nft

– Welcome Cats beckon luck and crypto to you! -Japanese traditional Maneki Neko will bring you fortune in web3 era #NFT

♬ History – 88rising, Rich Brian

とはいえ、ここらあたりで息切れしてきて、各SNSアカウントにコンテンツを追加していく作業に手が回らなかったのが、大きな後悔です・・

デジタルマーケティング

今回ペイドメディアを使う原資が無かったのと、試行的にもやる余力が無かったのと、SNSマーケティングは上記したような体たらくだったので、ここが結果的に一番弱かった。

地道にメディアにアプローチするなりして、下記のように取り上げてもらう、というのもすごく大切だと理解しているんだけど、どうしても時間的な余力がなかった。

これは「作って満足して、売るところまでたどり着かない」本末転倒な一番悪い例であり、次回以降大きく改善したいところ。

色々なNFTのドロップをNFT Eveningなどで毎日見ていると、どうしたって「NFTをドロップ、ミンティングする前のマーケティング、アナウンスメント、ストーリーの伝達」がクソ重要だということは、よーーーーく分かってきたので、これも大きな反省点であります。

この分野はトラディショナルな知識(SEOなど)と直近のSNSマーケティング等のトレンドと両方持ってないといけないし、私も若くないし、それなりに力技でもあると思うので、次のプロジェクト(=元々の招き猫イラストNFT)で一緒にやりたいという方いれば、上記のSNS経由などでぜひご連絡下さい!


所見・総論

  • 元々は「ちょっと小銭が稼げたらいいな」と思って始めたのですが、途中でウクライナで戦争が起こり、売上全額寄付型としました。
  • 売出し直後に販売できた0.3ETH分は、Ethereumでウクライナ政府に寄付出来たのでよかった。寄付者の方に心よりお礼申し上げます。

Donated NFT sales to Ukraine – you can help too from TODAY!

http://mosh-in-silicon-valley.tech/donated-nft-sales-to-ukraine/

  • それと、そもそもは「web3でのビジネスを考えるにあたって、土台の部分から理解したい」というのがあった。
  • 現時点でもNFTをはじめ、ゲームを中心に、メタバース、インフラ、ドメイン、DeFi、DAOなど色々な分野でビジネスが勃興しているが、技術的には絶対にデータレイヤーであるブロックチェーン〜スマートコントラクト〜IPFSくらいまでを知っていないと、上位レイヤーのことが本質的には決して理解できない。
  • 業務上、ベンチャーキャピタリストとしてはそれ以外の観点で、たとえば極端な話「Andreessen Horowitz が投資しているからコバンザメ的に出資すればハズレがないね♪」というようなアプローチも取れなくはない。
  • ただし、結局商社系のCVCとして「価値を生むビジネスを作りながら、フィナンシャルなリターンもエンジョイする」となると前段の部分においては、本質を見極める力は必要不可欠なので、今回NFTの作成を通じて、広く浅くだけどよく仕組みが1ヶ月そこらで理解できたのは本当に良かった。
  • また、とどのつまりは「人生のうちに、何を成し遂げたいか」という問いに戻ってくるのだけど、自分の場合は「いくつになっても勉強を続けながら、それを元に価値を生みたい」んですよね。勉強しながら机につっぷして死ぬ、みたいな人生がいいかなとw
  • ただ、(デジタル)マーケティングの部分で力不足でNFTが売れてないんじゃ、価値を生み出したことにはならないので、次のプロジェクト、「Welcoming Cats NFT」にて捲土重来、元気にマーケティングしていきたいと思いますし、プロジェクトとして一緒にやりたい方がいればレベシェアみたいな形でやれればと思います、ぜひご連絡下さい!(一人でやるのはさみしい・・)
  • ジェネラティブアートをAIで自動生成し、それを一気通貫でミンティング→マケプレへのリスティングまでするソリューションスタートアップのCEOと話した時には「アメリカでは各人の役割分担が明確なので、エンジニア、イラストレーター、マーケティング、企画、プロマネなど別々で何人もがかりでやることが普通」とのこと。アメリカならさもありなんとは思います。今回は一人でよくここまでやったな、と。
    次はみんなでわいわいやりたいです!
NFT, Technology, VC

仕事がら、シリコンバレーなどのアメリカの大企業の方とお話する機会が非常に多いです。

話していて感じるのは、日本の大企業において「これからどう先に進んでいっていいか分からない」(=だからシリコンバレーなんかに出先を出してみた) 「情報を得ても、それ使ってなかなか実行に移さない」ということです。

これは、色々理由があるでしょうが、大体は ①組織の若返りが進まず(年功序列、終身雇用的) ②若手の声が届かず ③テクノロジーの取り込みが進まず(自社でリソースを十分に持たない) ④既存のビジネスモデルにとらわれている(イノベーションのジレンマ)みたいな話に帰結しますね。

では、上記の想定が仮に正しいとしましょう。その場合、どうしたって①〜④を全部多かれ少なかれ変えなきゃいけないでしょう。(ここでまた大概の場合、大枚払ってコンサルに調査や提案など業務委託して、その大量のレポートを放置するのが日本企業w)

だけど、みんなバカじゃないので、特にコンサルは頭はいいので、考えて、少しは変えてみようと思うんだけど、変わらないから難しいわけです。大企業だとすると社外取締役もいるし、株主もいるし、変わりながら儲けていかないといけないけど、なかなか変わらないわけです。

これは、SaaSに大きく移行したマイクロソフトとか、(表向きは)R&Dと新規分野開発に大量のリソースを投入するGoogleだとか、思い切ってC向けとB向けを分社化したHPとか、超一流企業は別として、そんなにどこの国のどの企業も程度問題でしかないとも思います。

とはいえ、新しいビジネス始めよう!となった時にリソースの観点からは圧倒的に大企業が有利ですよね。人も、特に金もあるし、リスク管理とかリーガルなんかのツールも揃っている。
けれども、そこには罠があって、大人数集まって、さらに長いことやっていると上記を上回る弊害がおうおうにして起こる・・・・


だけど、ここに来て、ツールとして極めてディスラプティブなものがあらわれた。これは技術的には前からあるブロックチェーンの活用でしかないけれど、ユースケース的に極めて斬新かと思っています。

DAO =Decentralized Autonomous Organization=分散自律組織

https://ja.wikipedia.org/wiki/DAO
今の時点で、Wikipediaの説明がひどいw
色々広告が貼ってあるけど、こっちの方がいいかな。
https://www.bridge-salon.jp/toushi/dao/


方法:

  • Phase1
    • DAOの組成
      • 会社側から一定額をDAOに出資
      • トークンを作成
      • 関係者全員が上から下まで、一人ひとりが同数のトークンを保有する
      • 下記のような議論をDISCORD(もしくはSlack)で活発・頻繁に行う
        • 「我社はこれからどの分野を狙いたいのか」
        • 「我々は2〜5年後にどのようなビジネスを生んでいきたいのか」
          • これらの議論こそが、会社の無形事業資産となる
            • これが出来ていなくて、コンサルに投げている会社がどれだけ多いことか!
          • 組織の膠着状態の打破のきっかけ
        • 希望者はボランティアベースで上記プラットフォームの運営、ディールソーシング等に参加できる
      • そのDAOからスタートアップ投資を行っていく
        • 上記の議論で対象となったようなビジネスを行う優良スタートアップをDAOメンバーで選定し、一定期間、上記プラットフォーム(と必要に応じZoomなど)で議論を行う
      • 最終的にはAragon Voiceのようなvoting toolで出資可否を決定、無投票は賛成票扱いとした上で、過半数や2/3の賛成で実施する
      • 少額出資
      • フィナンシャルリターンの扱いは個別に決定するが、継続するためには「損をしないこと」は重要
      • なるべく多くの投資を実行し、将来の事業の参考のための情報収集ツールとする
      • 協業などのストラテジックリターンの扱いは個別に決定する
      • フォローオン投資の扱いも個別に決定するが、上記枠組みでは特に重視する理由はない
        →とにもかくにも、大体フィナンシャル vs. ストラテジックリターンの部分で議論がぐちゃぐちゃになってしまうので、もう「将来のことを議論するための情報収集とそのコスト」くらいに割り切ってしまってはどうか
      • 異議がない限り、DAOに対する資金投下は自動更新とする
  • Phase2
    • 2年目想定
    • 関係者の自己資金によるトークンの追加購入を許可する
    • また、DISCORDの運営やディールソーシングへの協力に対し、少額のトークンを割り当てていく
  • Phase3
    • 2.5年目想定
      • 世の中の動きが速いので、このくらいのスピードで進化していきたい
    • 外部資本の導入
    • イールドファーミングやその他の流動性インセンティブの導入
  • 全体
    • 以下の事項は要確認
      • 会計上の扱い
      • 税務上の扱い
      • 各種リーガルイシュー
    • 上記事項はDAOの黎明期ということもあり、確認に時間を要する
      • 但し、そのノウハウ自体がweb3時代において企業にに競争力をもたらす、と理解すべき
      • 常に言っている通り「やってみないと分からない」
NFT, Startup, Technology, Wine

DAOの学習と、ワインへの造詣を周りの人たちと深めるため、「みんなでETHを出し合って、一定金額を超えたら高級ワインを買ってみんなで集まって飲んでわいわいしようよ」DAOを作ってみました。

「WINE」という素敵な名前のトークンが作れたので、それも満足でしたが、

出来た後にどうやって運用していいのかがさっぱり分からない!
マニュアル、ユーザーガイドはないし、Discordはそこそこ活発だけどなかなか答えがもらえない…
CLIで運用するみたいで、学びながらやれば出来ないことはないけど、それ自体の解説サイトみたいのもなさそうだし、ちょっとスタックしました、、というのが落ちです。

Aragonは市場では結構なシェアがありそうで、見た感じ1番ぽかったので使ってみましたが、もっと使いやすいツールが出てくることをこころから願います・・


トップページ

後から分かったことだが、この時点で、EthereumでDAOを作りたかったらMetaMaskなどのウォレットでEthereum(メイン)ネットワークに入っていないといけないし、Polygon(Matic)で作りたかったらPolygonネットワークに入っておかなければいけない。

これは、使う人と、DAOを作る人のガス代に大きく関係するので、無駄な労力を避けるためにも非常に注意が必要です。

EthereumでDAOを作ろうとすると、手数料(これは些少の模様)とガス代の合計で下記の時間帯(PST 14:00頃)だと合計で$378.52(高い!!!)かかると表示されるし、PSTで朝方試した時にはもう$700近くて、話にならないほど高かった。

後述するが、Polygonの場合はめちゃくちゃ安いので、上記のプロセスは(DAOの参加者がPolygonでOKと考えられる場合においては)とても重要である。

DAOを作るボタンを押下

Aragon Clientはもう古く、新しいDAOはAragon Governで作れとのこと。

(実はAragon Clientの方で一つ作った後でそれが判明したので、大ショックだった… ちゃんと事前にuser guideなりマニュアルなりを読まないといけないですね(^_^;))

Aragon ClientでDAOを作ってみた(➜非推奨だった!) 02042022

Aragon Governトップページ

いろんなDAOがありますね〜

Create DAOを押下

以下の内容で入力。

次の画面で下記内容が求められる。以下がデフォルト。

今回、Rules / Agreement に規定したのは、以下の通り。(赤字は読みやすさのために本書のために強調したもの)

Any transaction created in this DAO must have been proposed in an Aragon Voice vote on 

https://voice.aragon.org/ and with the following approval criteria:

– 50% support of the participating tokens in the vote proposal duration of at least 7 days

  – Transactions created that do not meet the above criteria should not be permitted

– Unless explicitly participating in the vote proposal, this DAO doesn’t consider these tokens as approval or opposition

– Every time the proceed from token buyers exceeds (and in the case we start sales of goods and services, adding our profit) $500 (first time $500, second time $1,000 and so on, cumulatively) we vote

  – which premium wine(s) we buy, including its vintage

  – how many bottle(s) we buy

  – where to buy the wine(s) from

  – who to buy it (them)

  – where to drink the wine

    – our venue will be Bay Area, California USA 

    – in the case of restaurants, corkage we incur

  –  when we hold the events

  – the food we pair with the wines

    – including potluck style 

– The decision above is made pro-rata basis depending on the numbers of tokens DAO owners have, however

– The volume of wine poured into your glass when you participate in events is NOT so that we can freely enjoy the wines 🙂

– In the case you can’t come to the event, you are not eligible for the portion of the wine(s) we drink in the events.  

  –  So please be attentive

    – Again, our venue will be Bay Area, California USA 

– Token holders of DAO won’t be liable to any health issues, injuries and losses including but not limited to food poisoning during the events

– Drink responsibly in the events.  The above is also applied to any DUI incidents during and after events

次のページ

Understanding collaterals in Aragon Govern

>The default currency for collateral is DAI.

Dai (DAI) is a decentralized stablecoin running on Ethereum (ETH) that attempts to maintain a value of $1.00 USD. Unlike centralized stablecoins, Dai isn’t backed by US dollars in a bank account. Instead, it’s backed by collateral on the Maker platform. Note: if the Dai credit system is upgraded or shutdown, Dai holders may need to convert their Dai to Ethereum through the Maker platform. Read more at makerdao.com/whitepaper.

https://www.coinbase.com/price/dai

Transactionをscheduleできるホワイトリストのアドレスは初期設定はnull値なので、自らのPolygonのアドレスを設定した。(画面コピー割愛)

確認画面

ここで、画面下部にある「Confirm and Create Your DAO」を押下すると、「利用可能なネットワークに接続しろ」とエラーメッセージが返される。。

そうか、仕様上、Polygonでは、Aragon GovernのDAOが作れないのか…

ここら辺は、サービス・システム側の仕様であり、どうすることも出来ない。

このあたりが私が常に言っている「使ってみなければ分からない」の部分の一つでもある。

メールでPolygonの利用可能性について問い合わせると「すぐ回答するからね」と書いてあるものの、返事はない。

また、最近の流行りとして、チャットシステムである「Discord」があり、それを使えばすぐ回答できる、とメールに書いてあるが、Discordで問うたところで、回答してくれる人がいなければもちろん答えが得られるわけでもない。(下記のMoshの問い)

Ethereumではガス代が非常に高い…

これでは、高いワイン1本分くらいになってしまうので、DAOを作る時間を調整することにする。

下記の「曜日によってEthereumのガス代が一番安い時間帯」の記事をを参照に。

DayThe time when ETH Gas is lowest (EDT/EST)
Sunday2 AM to 3 AM
Monday1 AM to 2 AM
Tuesday6 AM to 8 AM
Wednesday11 PM to 7 AM
Thursday1 AM to 3 AM
Friday10 PM to 8 AM
Saturday2 AM to 3 AM

The Secret Behind Ethereum Gas Prices

結局、かなり価格の上下をウォッチする時間を浪費しながら、合計$154程度で決済することとなった。

これは、Polygonの利用を許可しているAragon ClientでDAOを作成した際には数ドルに満たない程度だったので、大きな差である。

DAOを作っている最中

ちなみに、DAOの生成過程に「Uploading rules to IPFS」とあるが、IPFSとは分散ファイルシステムかつそのプロトコルである。

で、上記の処理中ステータスは変わらなかったので、、Aragon Governで作られているDAOの一覧を見に行くと、案の定、一番最新のDAOとしてwine_daoが作られていた。

内容を確認してみる。

ETHを一旦depositしてみる?

参考まで、今回のガス代とトランザクション

New ActionとしてTokenをmintingしてみる。

Add new transaction

Mint Tokens

Recipient

0xb6466775b7513617d4076b22feb149303881bf09

で、次に出てくるこの部分が分からない・・・

Media, NFT, Silicon Valley, Technology

NFTの蒐集品については、アートがベースになっているものが少なくないので、それを会場で展示します、というビジネスは有料にせよ無料にせよ、さもありなんという感じですが、有料にしてやるとなるとかなりハードルは上がりますので、実行に移した人は偉い!

ということで、申し込んで見に行ってきました。

https://feverup.com/m/108251?utm_source=secretsanfrancisco&utm_medium=post&utm_campaign=108251_sfo&utm_content=verse-nft-exhibit-open-gates

価格は、スマホでARを見るだけなら$20、Microsoft Hololenz2の装着と記念NFTまでついたものだと最高で$85という値付けです。(タイミングによってかなり上下する)

折角なので、全部込みのものにしてみました。

会場はSanfrancisco Mintで、硬貨鋳造に使われた歴史建造物なんですね。もちろんNFTの「ミンティング」に引っかけている訳で、洒落ています。

入口でARアプリのダウンロードなどがあり、結構大変です。

各部屋でARとホログラムが見れます。

さすが鋳造所、レンガ造りで雰囲気がある。

上記の写真の左側にあるようなQRコードを読み込むと、空間にARが出てきます。

ARの横にある「OpenSeaで購入」リンクをクリックすると、実際にNFTとして購入できます。3.5ETH 130万円くらい。高い!

まだ購入やオファーはされていないようです。

ここまでは「NFT購入可のアートAR展」といったところ。

個人的には、ふむふむ、というくらいな感じですね。

ただ、3Dアーティストにこのような販売の道があることはいいことです。

次に、Microsoft Hololenz2を使ったホログラム・ホログラフィーを見ます。

こちらは「おぉ!」というくらいの感じでしたが(撮影が出来ず残念です)、ちょっとHololenzの視野角が狭い、具体的には眼鏡のガラスの外側が見えてしまうので、没入感はあまりないと感じました。

また、NFTとしての金額は見れますが、購入はホログラムの中からは出来ない。

以上となります。

チケットに一緒に付いてきたNFTは「後日」メールで送るとのことで、UX的には肩透かしな感がありましたが、各地でおそらくこのVerseを展開することを考えると、販売できるような価値は付かないでしょうから、日本でいうと「ケーブルカーなどに乗る際に購入するチケットの上半分の風光明媚な写真」(取っておく人は取っておくし、大半の人はすぐ捨てちゃう)くらいの価値しかないかなとは思います。

ビジネスとしては冒頭に書いた通り$20~85を取りますが、アプリのダウンロードに時間がかかる(=オンボーディングに時間ががかる)、Hololensの台数に限りがある(見た限り15台くらいで廻していそうでした)ということから、そんなに人数はさばけないイメージなのと、当日は日中昼間だったので利用客は10人ちょっとくらいに見えました。これでこのサンフランシスコの真ん中の建物の利用料・賃料と人件費をカバーしてペイできるかは微妙なところか。

なので、NFT販売からの収益をどう上手に組み込めるか、というところですが、あまり「これを買いたい!」とは思わなかったかな。ARで見れるのは「お!」とはなったけど、結局OpenSeaでは2Dだったりもしますので。

となると、専用の展示場ではなく、レストランなどで簡便にこの手のAR・ホログラムアートとNFT販売を組み合わせることが出来るか?ということになるか。ちょっと導線が複雑になりすぎて合わないような気もします。

とはいえ、このように思考回路を巡らしていき、何か新しい価値が提供できないか、何か新しいビジネスがアメリカ、日本、その他海外で展開できないかと体験し続けながら、考え続けることが大切だと思います。

Business Idea, IoT, Media, NFT, Startup, Technology

2022 CESでSamsungがTVでのNFT販売を発表、それにLGが追従したりして、「ここで真似するか~」というような所感と、「とはいえ、TVメーカーからしたら、社内で『NFTでなんかビジネスできないのか!?』となっているだろうから、やっぱりこの分野になるよなー」というような思いが頭をよぎります。

ただ、仕事柄、大手メーカーがやっていることを眺めているだけではダメで、「スタートアップで特定TVメーカーや型番に依存しないソリューションを出しているところはないのか?!」というのが観点になります。

いいのを見つけた。

NFT500

ぱっと見、これを使うと、

  • ユーザーは上記のSamsung、LGと同じことが特定TVに依存しないで出来そう
  • Apple App Storeからダウンロード、ということは、スマホアプリであり、TVにキャストするという形式っぽい
  • アーティストは自分のアートをNFT500にNFT化してもらって、収益化が出来そうだ

長年やっていると、プロダクトについての予想が大体当たるようになりますが、ただしVCとして期待するのは「予想を上回るディスラプティブネス」であります。早速使ってみた。

やはり、アプリからTVにキャストすると。

始めるのにお金もいらないし仮想通貨も要らないと。本当か。

Just the Beggining… の部分に結構大切なvalue propが書いてある気がするけど、、大丈夫か。

そりゃそうだ

スマートコントラクトの内容は見れなかった…

では、早速NFTアートを見て、蒐集していくことにする。

500個が在庫上限のようです。415個残っているのか。

ポチ。Reservedの上の数字は何なんだ。500は明らかにサービス名から来ている。

ポチ。Reservedの上の数字はコレクションされた数のようだ。

Available数+Reserved数=500

右上のアイコンをクリックすると、今までに何個蒐集しているのかが分かる。

蒐集上限数は15のようです。

もっと蒐集。

結局、EthereumなどでNFTを購入する導線はまだなかった。

アプリの紹介文の部分のJust the Beggining… の部分に in-app NFT ownership は今後対応と書いてあったので、これからなんでしょう。(そうなると現時点ではNFTでも無いような気もするが…)

次に、TVにキャストしてみる。

大体ここで、バグがあったりしてつながらなかったりするのが世の常なので、大丈夫なのか。

右上のテレビのようなアイコンをクリックするといつも通りのキャスト先オプションが出てくる。

表示されました!

動画も表示されることを確認済み。

アプリ内では、次のNFTに送るというのも簡単に出来るし、自動で何秒・何分で次に進むのかも簡単に設定できる。


ということで、Just the Beginning… の部分に書いてあった通り、将来対応の部分はまだ出来ていないし本当に「MVP」(Minimum Viable Product) の様相だが、これでリリースするのがアメリカスタートアップの強みかなとも思います。(これで★4.7評価というのは高すぎる気もするけれど)

最後に、HPにあるロードマップの内容です。

今は、01の Growing the collectionの段階ですね。

02でAndroid対応→03でさらなるアーティストとの提携からの特別アート・NFTを追加しつつ→04でアプリ内でのNFTの購入 というロードマップになっています。


所感:

  • 本当に「MVP」(Minimum Viable Product) の様相だが、これでリリースするのがアメリカスタートアップの強みかなとも思います。(これで★4.7評価というのは高すぎる気もするけれど)
  • 日本人、日本企業もこのような考え方でどんどん新プロダクトをリリースしていってもいいと思う。反発もあろうが、海外企業・海外から来るプロダクトが製品をアジャイルに改善しながら顧客をつけていき、マーケティングも漸次増強していく、に勝ちにくいでしょう。
  • このプロダクトのコア・バリューとして、TVでのアート壁紙なのか、NFTの購入可能性なのか、ここが大きな分水嶺と思う。
    TVで4Kで見れるから買いたい!というユースケースは分かるが、無料でも蒐集してキャスト出来てしまうので、買う意味がどこにあるのか、というのは今後表示時間の制限などを設けて対応していくことになるのだと思われる。
  • TVによる消費電力を考慮し、壁紙にアートを常時表示する人がどのくらいいるのかもポイント。TVの消費電力の少なさを説明するようなプロセスが必要かもしれない。
  • ちょくちょくTV壁紙アプリを起動する人、というのはなかなか考えにくく、「常にこれを起動しておいてくれる人」をどうやって探し当てるかがマーケティングの重要ポイント。
  • もし、NFT購入の方に重きを置くなら、アートについて数量制限をして希少感を強く出していくのか、TVで本当に映えるアートについて有料でないと常時表示できないようにするのかなどの施策が必要になる。
  • とはいえ、その場合にNFTである必要はあるのかというのも大きな論点。
    普通の人はスマホにMETAMASKインストールして、ガス代払ってEthereumを買っておいたりはなかなかしないので、普通にApplePayやクレジットカードで決済できるようにする、仮想通貨を持っている人にはその決済も可能にするなど、決済方法についての明確な整理が必要。
  • 個人的な考えてとしては①基本的には壁紙アプリ ②本当に希少なアート(たとえば武田早雲の書道など)だけはNFT化→購入者の転売からの売却益確保欲をくすぐる というのが現実的な線かと思われる。
  • そうなるとNFTはごく一部だよねという整理になる。
  • だから、根本的に考えを変えて ①番組や登場人物(たとえば川口春奈だとしましょう)の魅力的な壁紙を用意する(安っぽい番宣用のポスターみたいのじゃなくて) ②番組に誘導する みたいなケーブルテレビ事業者ならではのアプリにしたらいいのでは。
  • その先にNFT販売から発生する収益の可能性があるか、ないか?というような思考回路の順番が正しいのでは。
  • 個人的には、画面いっぱいに川口春奈が微笑み続けてくれる壁紙があれば、すぐ買う。NFTとして仮想通貨で買ってもかまわないし、クレジットカードで支払っても構わない。別に転売して儲けたいとも思わないけど、その壁紙の構図に飽きたら、その後売れるかもね、というのは面白味はある。
Silicon Valley, Startup, Technology, Tesla

これ、前からあったっけな? クパチーノのマルカイの駐車場です。(明日はしゃぶしゃぶなのでその買い出し) EV充電無料って書いてあるよ!えぇ!! 個人的には今まで見たことなかったな。

買い物は、嫁と娘に任せて、自分はVoltaってどんな会社かテスラの中で調べてみた。(1ポートしかなく、隣でテスラが充電中なので私はそれが空くのを待つことに)

https://voltacharging.com/

  • 全米に2,000ポート(=要は充電ケーブルの数でしょう)あり、800箇所に設置。
  • 上場済。2020年時点ではSPACっぽい。今はVOLTとして合併完了したみたい。
  • 本社はSF。
  • ハワイ含めたアメリカで展開済で、ヨーロッパにも展開計画中とのこと。
  • 基本的にこのデジタルサイネージ広告で儲けている。売上高は四半期で10億円くらい。
    昨年比77%増
  • チャージングステーションを個人・法人に作ってもらうビジネスもやってるが、漸減中。
  • 純損失は50億円弱!
  • PSRが55倍!!!!

ラーメンHajimeで本当に美味しい担々麺を頂いた直後だったのですが、PSR見て全部戻しそうになりました。PSR55倍って…

ただ、よく見てみると、うちの会社の駐車場にもあるChargePointは46倍、Blink Chargingにいたっては115倍と、担々麺を車内で戻さなくて良かったです。

お、隣のテスラが出ていった。タダ充電チャンス!!
ジンファンデルチャンネル ステッカーが夕陽に輝いていることに注目)
おぉー充電ちゃんとされていますねー(Teslaは自分のアダプターを付けないといけないことに注意)

ただ、HPに「うちらはLevel2充電ステーションだからさ」って何度もうたってあるんだけど、どういう意味なのか。格落ちみたいな?

おぉ、32Aですね。だから、Level2というのは「家庭で12A/110Vでとぼとぼ充電するのとはパワーが違う、時間が短い=レベチだぜ、という意味ですな。

ということで、

  • 普通の自動車が考えると、「ガソリンをタダでもらっている」みたいなことだから、本当にうれしい。(アパートなんかに住んでいると、家で充電できない人もいますしね)
  • デジタルサイネージ+チャージングステーションというのは、まぁ考えつくビジネスアイデアではあります。ただ、この資本集約的なビジネスを実際に展開できるのが、シリコンバレーの強さ!
  • ただ、売上10億円、損失50億円、PSR55倍というのは、もう新しい資本主義というか株式市場というのか、$10/杯のラーメンを月一回食べることを心持ちにしている私のような庶民からすると、なかなか理解しにくいレベル感ですね。
  • とはいえ、将来的なガソリン車の新規販売規制を見据えた株価形成であることは間違いなく。
  • うちも以前日本で充電チャージングビジネスはやっていたですよ実は。だけど、電気自動車の普及より全然早く始めてしまい、上手くいかなかった。これも難しいんだけど、タイミングとふんだんな資本というのは本当に重要。

こういう、「あったらいいな」だけどビジネスとして成立するのか?というようなモデルが実際にモノになって触れることが出来るシリコンバレーという場所は、本当に心の底からワクワクする場所だと思います。

マルカイの横のビアードパパのシュークリームが売り切れていてブチギレていた嫁と娘にも、大きな観点を持てよと言って聞かせたいです。

Amazon, e-Commerce, Silicon Valley, Startup, Technology, VC

NYなんかは最近もう日用品の配達について、Instacartが1時間DoorDashが15分Getierが10分、とめちゃくちゃ短縮化してきていて、「Ultrafast grocery delivery」というカテゴリーで呼ばれています。

シリコンバレーはそこまで加熱していないなーと思っていたら、バス停で広告を見つけてしまった。もう反射神経的なものとして、また使わないと、と思った。

初回3回の注文で$20 off!? デカいじゃないか。
嫁と買い物に行っていたら、「お、Popcornだ。割引コードもあるし、今日はピザでも買って夕食は簡単にするか」
嫁:異議なし。Popcornバンの写真まで撮ってくれた。夕食作らなくていいから、機嫌がいいんだろう…

よくあるUI。
18分で来ると!
日本カテゴリも一応あるが6つしかないのと、キューピーマヨネーズ¥2200円くらいって、どういうことだ
セーフウェー等と比べて、品揃えが悪く、買いたいものもあまりなかったが、夕飯をこれで済ますと妻と約束したので、やむなくマルゲリータピザなどを購入。大き目のピザだけど、冷凍ピザ¥1,840だから、物価の高いことよ!
ApplePayで払えるのは便利。
チップのデフォルトは$5→購入金額に合わせて$3に変えた。
バス停広告で見た割引クーポンコード”Pop20″は使えなかった!(怒)→この品揃えだと、ここで脱落する人は十分にいそう
配達料は$1.8。
これは、他のネットスーパーに比べても安いくらいなので、その点は非常にgood!!!
本当に18分で来るのか!?
結局37分もかかったw
配達員の方に聞いたら、この家は奥まってて、カーナビが変な案内をしたので、とのこと。確かにそうなので、しょうがないかもしれないが、20分オーバー、2倍はちょっといただけないかも。
例のバンで来てないの?と徒歩の配達員に追加で聞いてみたら、ちょっと離れたところに置いちゃったんだけど、バン自体は冷蔵庫・冷凍庫完備でデカいのよ!とのことでした。
また、配達記録に写真だけ撮らせてね、とのことなので、どうぞどうぞと言って、Have a great day! とお別れをしました。

まとめとして、

  • ネットスーパーの需要は引き続き高く、なかなか配達ウィンドウが空かない(翌日まで待たなくてはいけないなど)こともよくあるので、18分で来てくれる、というのは利便性は高い
  • それにしても品揃えが悪く、まだ実用性には乏しい。
  • それでも、バンを買い揃えたりドライバーを雇ったり、商用化して進むのはシリコンバレースタートアップならでは。
  • とはいえ、バンは自社用に塗装もしているのでリースなのか(=費用化、OPEX)、購入なのか(=資産化、CAPEX)なのか分からないが、どっちにしても財務的な負担は大きく、立ち上げに相当な資金需要が必要だったと思うが、スタートアップDBサービスには投資家などの詳細がなく、謎が多い会社ではある。
  • ビジネスがうまく成長すれば、InstacartやWeee!やスーパーマーケットに買収される可能性は大いにあり、そういう点ではexit pathが明確、とはいえるのでは。
Cat, Silicon Valley, Technology

これ、家猫じゃない猫を飼っている人しか分からないかもですが、「自分の猫が外でどこにいるか知りたい!」っていうのは長年の夢だったわけです。

もちろん、GPSデバイスはかなり昔からありましたが、少々お高いのと、何より結構な割合で月額利用料(=今流行のサブスク)で結局高くつく、というのがコスト面での課題、

そして、バッテリー含めてサイズが大きくて、犬はまだしも、猫にはなかなかつけられないというのが大きな問題でした。

但し、それをバッテリーと無線テクノロジー、およびネットワークイフェクト的なもので解決してくれたのがAppleのAirTagでした。

AirTagについては以前私は記事を書いています。
AirTag使ってみた ー 感想レポート【素ん晴らしい】

早速うちの猫につけてみました。(ちなみに「うちの」と言っていますが、色々な家に出入りしている猫なので、誰がオーナーなのかも分かりにくいような不思議な猫なのです)

ちょっと不機嫌そうな顔に見えますが、猫の顔っていうのはこんなもんですw

AirTagをしまうシリコンの部分はAmazonで$9.95で買いました。(少々高い)それを囲うバンドの部分は結線バンドみたいなもので、DYIです。

そして、外に出して、iPhoneのFind Myのアプリで見てみると、、

おお、見れる!(下の方の猫の体のアイコンです)少しだけど遠出しているなぁ
今度はそっちかい!
そこは、いつもお世話になっている人の家じゃないかw
あまりにも面白いので、Find Myの画面をテレビにキャストして、それを酒の肴にしたりする
どこの家におじゃましてんのよスターちゃん!みたいなツッコミを入れる

猫というのは研究により、近くしか行かない猫と、数キロ先まで遊びに行っちゃう猫と、結構様々だということが分かっています。
うちのは、結構「出不精」な猫だってことが分かりましたw


ただ、長年の猫の散歩先を知りたい、という欲望をいとも簡単に叶えてくれたAppleに感謝です。技術的には、iPhone が世界中に数十億台と出荷されたことによって、無線ネットワークがナチュラルにできちゃった、というところが大きいです。
テクノロジーを駆使できれば色々面白いことが分かる。

Business Idea, Cooking, Japan, Technology, Wine

日本帰国に、自宅隔離期間2週間が空けて「さて何食べに/飲みに行こうか!?」と思っていた時に早速声をかけてくれたのが小学校からの幼馴染の齋藤くんでした。

ソムリエの説明を聞きながら、ワインを飲んで和食を楽しむ会で、女性も来るとのこと。

そりゃ最高の組み合わせだ! 

最後の部分だけ嫁に内緒にしてw、うちからチャリで行ってみました。

齋藤くんの料理、どれをとっても素晴らしい!
大阪で修行した腕前で、お店で売っている仕出し弁当もとても美味しい。
こんな変わり種ワインも!
地元のお酒も頂いちゃいました

齋藤の作る和食はいつも絶品なのですが、ワインを飲みながら食したことはありませんでした。マリアージュとして至高の内容でしたね!

もう一人来てくれた中学校の幼馴染と、初めて会った美しい女性方と談笑している内容はリアルタイムで stand.fm で音声配信しながら聞いてもらって、

しまいには寒川中学校の校歌「紺碧の理想」(♪雲新しく、紺碧の理想、寒川中〜学〜校〜)を歌い上げたりして、大盛りあがりでした。

これは朝まで飲めるな、と確信したところで、22時頃恩師から呼び出しがあり、後ろ髪引かれる思いでおいたましました。


と、飲み助の「楽しかった飲み会」の話はさておき、

すごくいいなと思ったのは、この「なごみ」というお店/場所/箱が「プラットフォーム」として、普通なら知り合えないような人々を物理的につなぎ、そして音声配信や、YouTube、その他SNSでインターネット越しに場所を超えて、体験を共有しながら、友だちや視聴者をつむぐ、という点です。

実際、stand.fm でもリアルタイムで、我々の飲み屋話や校歌に「盛り上がってるね!」みたいなコメントが付いているのは新鮮な感覚でした。


今後、多かれ少なかれインターネットの形がweb3になっていくと、より「音声双方向参加チケット」「視聴者限定プレミアム配信」「有料ダウンロード」「コメント権」「会員権NFT」なんかがやりやすくなってくると思います。

こういうローカルな集まりと、最新技術の交差点がおぼろげながら手前の道で見えてきた時と感じられた時に、いち早く試してみて、風景を見てみる(もしくは見た気になってみる?)というのは、パンデミックによる実ビジネスへの影響と、在宅志向から生まれるビジネスチャンスの獲得という観点でとっても重要かな、とシリコンバレーで日本での楽しい思い出に浸りながらつれづれに考えたりします。

Bitnami