どうしても、アメリカでビジネスが作りたいです。アメリカ駐在の商社マンなんだから、当然です。(但し、ここら辺の基本原則的な考え方は揺らいできているようにも思う。)
Straightforwardな方法論としてはECがある。(ちなみに、アメリカの人はECとは呼ばないので注意が必要)
市場背景として下記の商務省のデータのように直近2四半期で40%程度も伸びている。絶対額としてECで$200B以上の話をしているので、もはやクレイジーな伸び率・増加額だ。

では、何を売るにしても、商いはまず丁稚から、ということでShopifyのサイトを作ってみることにした。
下記にスクリーンキャプチャが長々と並ぶので結論から言うと、サイト構築、課金、発送、集金、非常にスムースでした。流石、$140Bの会社だけある。
システム、プラットフォームとしても大変使いやすく、よく設計されていて、作業もスムーズ。機能もよく考えられており、まとめ方、分け方、管理の方法など、素晴らしいですな、という内容でした。
システム開発やったことがある人は分かると思うんだけど、実際に作るっていうのは結構大変で、機能の作り込みをするのはまあ数日くらいで終わったとしても、その機能のテスト、(ユースケースをよく考えた結果として複雑となった)他の諸機能との連携テスト、他の外部システムとの連携テスト(特に最近は外部クラウドシステムとの連携が非常に多くなった)などテストが大変だから、日本人が大好きな「自社で何でも内製する」っていうのはこのレベルになると超大変。
もう使わない手は無いと自分でも感じたし、投資先のスタートアップのCOOで何社もスタートアップを渡り歩いたベテランで、今は会社の$30Mくらいのオペレーション全部見ている人に「Shopify使っているみたいだけど、どう?」と聞いたところ、「非常に優れている」という回答でした。Great.
いつもの通り、自分の記録を兼ねて書いているので、長々としているのですが、最初の部分で発送して(自分で)受領するというマッチポンプ作業の部分について触れています。
その後の部分は長いシステム設定、サイト公開のプロセスです。
ちなみに、Shopifyのサイトの出来はすこぶるいいですが、私がこのテストの目的(と自分が着る目的)のだけに作ったポロシャツ自体は非常に出来が悪く(Thanks to Vistaprint…) 買う価値が無いのと、発送処理は地味にメンドクサイので、決して発注しないでください!
これが出来上がりのサイト。ちょっと見にくいですが、日の丸を胸にあしらったポロシャツが販売製品です。テストなので必要はなかったのですが、実際に商品も作ってみました。

これが発送商品(訳あって、作ったポロシャツではありません、なんのこっちゃい)

で、それをパッキングして、

家の玄関ポーチにぽんと置いておいた。USPSによる集荷です。楽ちん。(その設定方法については下記の下の方に説明しています)

で、午前中に集荷人が来て持っていってくれた。
(絶対見ないだろうと思っていたら、「おい、これ宛先お前んちじゃねえか、大丈夫かこれ」と聞いてくれて「問題ないから、持っていってくれ」と寺尾聰のルビーの指環(若い人は絶対に分からない)状態で集荷してくれました。

で、翌々日にはポストに配達されていた!

これで「モノの流れ」の部分は以上です。
残りは、システムの設定方法についてです。よく機能が作り込まれている。





クレジットカード手数料と送料が安くなるのね。
通常の法人でやるようなビジネスなら「Advanced Shopify」が適している、というように見ています。
実際に、コモディティに近いようなものをECで販売するとした時に、返品、値引き、倉庫、発送業務、管理人件費、仕入に関する人件費、家賃、金利、システム開発、減価償却費、そしてマーケティング費用・広告費(これが馬鹿にならない)を引いていくと、バラ色のボトム利益は中々生まれにくく、P/Lの上の方の決済手数料や送料がどのくらいのレートなのかは、ECビジネス採算管理の肝ですね。


で、これが有料コース(30日無料)の選択が終わったら、もう販売商品の登録に移ります。





サイズなどのオプションの設定も容易に出来る。この前の画面で選択した「Clothing industry」が効いているのか。





この点はもう少し研究が必要も、ビジネスオペレーション上は肝の肝になりそうです。

https://help.shopify.com/en/manual/products/collections
You can group your products into collections to make it easier for customers to find them by category. Here are a few examples of collections that you might create:
- clothes for men, women, or children
- items of a certain type, such as lamps, cushions, or rugs
- items on sale
- items in a certain size or color
- seasonal products, such as holiday cards and decorations

外部ツールを使わなくてもいいくらいなのかも。優秀ですな。

BFCMって何よ?と思いましたが、Googleが下記の通り、Black Friday/Cyber Mondayだと教えてくれました。ちなみに2020年のShopify上での結果は、$5.1Bだったとのこと、凄まじい金額です。
Black Friday Cyber Monday 2020: An Analysis of Over $5.1 Billion in Sales
https://www.shopify.com/blog/bfcm-data
Shopify store owners collectively made a whopping $5.1 billion USD in sales between Black Friday and Cyber Monday globally, up 76% from last year.
Shopify Blog

Google reCAPTHCAを問い合わせフォームに組み込める、っていうのはいいですね。個別に組み込むとどうしてもテスト工数がかかっちゃうので。


ちょっとFacebook Pixelについては勉強します。

ちょっとドメイン管理サイト側でDNSの設定とか必要なので、とりあえず手を抜きましたが、これはもう必須ということで。



各々のページについてSEOの管理出来るのもニクい。


そして、「ホームページ」の設定に移ります。(英語では「トップページ」の意味なので、注意が必要)



これも必須ですね。


この後画面サンプル出てきますが、ひどい仕上がりになりました・・


出来てて、他サイトで実績が(金額にしてBFCMで$5.1Bトランザクション分も)あるっていうのは大変いいですね。

これも仕組みとしては非常にきめ細かい。
購入のキー項目は電話番号か、Eメールか。電話番号、というのはSMSテキスト利用が普及しているアメリカチックだとは感じます。(日本はそうでもない。但し、メールも近年非常に多くて、インボックスを管理できないほど、という人は多いハズで、SMSテキストは非常に助かります)
で、あらかた出来たので、実際に自分で買ってみることに。
まあ、明らかに経済的にはShopifyに手数料抜かれるだけなんですが、そこはテスト必要経費だということで。





(今回は自分の中での「行って来い」になりますが)

合計は$36.65也。





但しもう顧客側では「支払い済」になっている。


これは沢山注文があるとこんがらがりやすいでしょうから、非常に役立ち機能と言えるのでは。





上下逆にしてあるのは、プリンタで印刷した時に順向きに見えるから? そうだとしたら、設計としてきめ細かいですね。





この後、冒頭にあったように荷物を玄関前においておきました。


具体的には銀行口座の設定や、支払いを受けられるクレジットカードや電子マネーの設定など。








ここら辺の、お金廻りの面は従来作り込みや連携が大変だったですが、今は本当に簡単で素晴らしいですね。テクノロジーの進化。


こういうのも機能を自分で作っていくのは大変です。よく出来ている!






丁寧に集荷完了のメールをUSPSが送ってくれました。
アメリカは配送廻りはかなりDX進んできたイメージです。



ちゃんと、今回の売上(Shopifyフィーとのネット)$35.29が入金されていました。
今回使ってみて、EC関連でよく聞くShopifyが実際どの程度使いやすい、使えるシステム、プラットフォームなのかよく理解できました。機能性という観点では申し分ないと思います。
今後の同社の戦略としては、下記の通り取扱高、出店者、パートナー・チャンネルの3つの分野に分解した上でそれぞれを伸ばしていく、とのこと、今後も大変成長が期待される企業と言えると思います。
