Japan, Silicon Valley, Startup, VC

日本企業のCVC活動が失敗する要因とは?

結論から先に言うと、「日本企業の中の人はあんまり勉強しないから」だと思っていまして。
その理由を下記につらつら書きます。


特定の企業についての話ではないですが、自分も長らくCVCやってきていて、シリコンバレーや日本の周りのCVCの方とお話する機会もとても多い中で、「いやぁ、なかなか上手くいかないんですよねー」と言っているところが多い、もしくは肌感としてはほとんどがそう言っている… というのは何故なでしょう? というのを考えてみた。

多いのは、フィナンシャル vs. ストラテジックリターン問題で、「儲けるためにスタートアップ投資をするのか」、それとも「協業して事業開発するためにやるのか」、どっちなのか、それとも「どっちも」ならニュアンスとして塩梅としてどっち寄りなのか、という問題です。

これは、どちらかというと「決めの問題」なので、判断が遅い日本企業の特徴が出るか出ないかが個別のCVCの方向性の明確さに反映されます。
また、日本企業は「Why?」の議論が苦手というところも大いに影響するでしょう。

アメリカにいる日系以外のCVCともこの話をよくします。(ある意味定番の話題だったりもしますw)
CVCにはかなり優秀な人が集められているケースが多く、MBAホルダーが多数というケースもあり、この問題はCVC運営の「肝中の肝」なので彼らは明確にこれを定め、ダイアグラムだとか図にして、投資案件の判断に迷いが出る時の「羅針盤」のように使っています。
CVCも(VCも)少人数で忙しく、特にCVCは本社とのやり取りや事業へのつなぎ込みがあって多忙なので、「方針がはっきりしない中でふらふらやる」みたいなことはあり得ないのです。

そして、論理構成として近年、「そりゃ本社の事業との関連は大事なんだけど、フィナンシャルで儲からないスタートアップと事業作っても、そうだとその会社が潰れちゃう可能性もあるし、結局いいスタートアップは投資した結果として儲かるハズ」というのと「優秀な人をCVCに雇おうとしても、フィナンシャルな結果と連動して報酬を出すようじゃないと、結局VCに転職しちゃうし、そういう仕組にしないとオペレーショナル・エクセレンスが保てない」ということで、よりフィナンシャル重視なオペレーションをするところが増えています
日本含めアジア系のCVCはよりウェットにビジネス重視でやっているところもまだありますが、VCのみならず欧米企業の強いところは(定時で帰りたいし、休みもしっかり取りたいし、給料もがっつりもらいたいので)理論的な整合性を重視して、それにのっとってやっていく(もしそれがイヤな人は他社に移ればいいんだからw) というプリンシプルを貫いているところです。
専門性がますます高まって、スピードもますます速まっているこの世の中で、論理的に考えた時にこのプリンシプルに抗うのはあまり得策ではなく、「まぁ是々非々でやっていこう」とか「両睨みでやっていこう」とかっていうのはなかなか勝ち筋を見つけにくい、そして「なんでCVCやってるんだっけ?」という「Why?」の話になった時に、「要するにマーケットで勝ちに行くこと」だとすると、そうやってやらなきゃいけない、ってことになりますね。

次。

実務的に「あるある」なのは、ピッチャー x キャッチャー 問題で、「ピッチャーは海外含めたCVC側」、「キャッチャーは本邦含めた事業側」という整理の上で、なかなかキャッチャーがボールを受けてくれない(ミットを構えてくれない、というところまで来ると重症ですが、そこまでひどい例は、そんなには沢山聞きません。逆に言うと無いわけでもないw)という話です。

これは因数分解すると色々原因があり得ます。海外マインドセットがない、英語が出来ない、自社技術信仰が強い、そもそも人が足りない、上層部の理解が足りない、予算が足りない、足りない、足りない、ない、ない、ない。

ただ、この「無い物ねだり」的なことだけをし続けたり、飲み屋で愚痴ったり、はたまた「やるふりだけして、結局最後に『無い物』のせいにして、振り逃げをする前提で次のジョブアサイメントを待つ・駐在期間の終了を待つ(海外駐在ベースの海外CVCだった場合)、とかっていうのは、それこそ「ベリーマッチ日本企業」だと思うんですよね。

ビークルとして「なんか新しいことをしよう」「既存事業をディスラプトしよう」って言って始めるのがCVCの出だしのほとんどだと思いますので(もちろん、最悪のケースで部門のトップがやるフリをするためにCVC作るというケースもあるとは思いますが・・)、CVCの中の人というのは、使命として「ディスラプション」や「うちの会社をぶっ壊す!」(=小泉純一郎の民間企業版みたいな)がないと嘘ですよ。
嫌われても、疎まれても、おどされても、正論と、正義と、将来を信じて「逆命利君」よろしく、社内で吠えまくる、声を上げ続ける、というのがあるべき姿でしょう。(もちろん会社によりますがw)

ただ、嫌われるっていうのはなかなか精神的にはつらいものはありますので、みなさんに私のような心痛をおすすめするものでもありませんw

少なくとも上記した「海外マインドセットがない、英語が出来ない、自社技術信仰が強い、そもそも人が足りない、上層部の理解が足りない、予算が足りない」みたいな事態がどこから来るのか?というのを思考するところから始めるのはどうでしょうか?


その理由については冒頭記載した通り、「日本企業の中の人、あまり勉強しないから」だと思うですね。

先進国一、勉強しない日本の会社員に明日はあるのか?(NewsPicks)
https://newspicks.com/news/2647674/body/

勉強しない日本人、「学び続ける組織」を作るために企業はどうすべきか?(マイナビニュース)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220324-2296657/

やっぱり“勉強しない日本人”。「自ら学ぶ」は2年連続減少【5万人調査】 BUSINESS INSIDER
https://www.businessinsider.jp/post-255688

データとか中身は上記の記事にゆずりますが、たとえばシリコンバレーでは個人的には、

  • 見聞きするものすべてが本当に楽しい
  • ただ、実際に「中の人」から「聞く」には、自分も情報を持っていないといけないので、そのギブ・アンド・テイクのサイクルが出来るように、猛烈に情報を取りに行く=勉強する
  • Web情報ももちろん相当に目を通すが、基礎となる技術などが分かっていないと、ちゃんと理解できない=基礎技術を勉強する
  • スタートアップソリューションの優位性などを見極めようとすると、相当な知識量がないとババを弾くことになる=周辺事項含めて可能な限り勉強する
  • ウェビナーなどで人前で話をすることも多いが、それこそ下手なこと言えない(特に日本企業に努めていますとw)=事前に付け焼き刃含めてめちゃくちゃ詰め込む
  • 本社にどんどん発信する。そうすると質問が来て、意外と自分もまだまだ分からなかったことに気づく=知ったかを出来るように調査しまくって、知っていたかのように回答するw

というサイクルがあるので、真面目に、シリコンバレーに来てから受験勉強生の時くらい勉強していますね。

そして、また個人的な話ですが、米国会計士、統計士、SAP会計コンサルタント、PMP(Project Management Professional)、応用情報技術者、カラーコーディネーター(?)などを過去に取って、(資格自体はどうでもいいとして)それらの知識がかなりずっしりと堆肥のように下支えして、投資実務だとか、儲かる確率論だとか、システムやアプリの作りや作り方、スタートアップ内の体制、技術優位性などを見る時に大いに役立っていて、だからこそ「勉強しといてよかった、これからもそうしよう、もういいおじさんだけど♪」といつも思える、好循環もあるんです。

ということで、勉強さえしていれば、「やっぱりシリコンバレーにある技術が他より一歩も数歩も先に進んでいるな」、というのも分かるハズだし、「どのソリューションが最もイケてるのか」というのも感じらるようになってくるし、「どこのスタートアップが儲かりそうか・勝ちそうか」というのも勘どころも出来てくるし、

何よりそもそもの話として、「アメリカ人とどんどん情報交換したい、喧々諤々議論したい、だから知識を仕込もう」ってなるから勉強するんですよね。


で、CVCっていうのは最先端の技術・ビジネスモデルを持つスタートアップに投資するんだから、過去の経緯と/現在のトレンドと/現在の課題と/将来の見立てと/自社の課題やアセットなどを、しっかりと勉強していないとうまくいかないのも当たり前の話で。


そして最後に、アメリカ人については(直接話していればすぐに分かるんだけど)「勉強していないと絶対勝てない」というか「渡り合ってさえいけない」ですよ、今の世の中。

アメリカ人は分業制で、まあまあ同じ職種で会社を渡り歩いていくので、専門性は高い。

必ずしも能力が日本人と比べて上でもないし、仕事の品質は日本人の方が少なくとも丁寧だし、ただ、

アメリカ人というのは(子どもをアメリカの学校に行かせていればすぐ分かるけど)小さい頃からプレゼンの練習を学校でガンガンやらされるので、喋りは上手いし、理論構成してプレゼンすることが小中学生から教え込まれるし、英語という言語の構成上も理論的に話すことが出来る。

仕事・ビジネス についてはたとえばシリコンバレーなんかでいうと、世界最先端・世界最大級の資本でバンバンやっているわけです。

だから、インプットとアウトプットにおいてそもそも日本人との間にはキャッチアップしなくてはいけない相当な差がある。

ということで、結局簡単な話で、「毎日吐くほど勉強しないと勝てない」、それだけじゃないかな。


ただし、一番の問題としてCVCを統括するおじさま達に「あんたたち勉強してないよね!」と言うのがとっても awkward なんだけど!

(終わり)2022/9/17

(冒頭のロゴ:https://www.cvc.com/~/media/Images/C/CVC-Capital-V2/logo/cvc-capital-logo.svg?la=en

Business Idea, Pickleball, Silicon Valley, Startup

ピックルボール練習相手マッチングサイト【案】

今日、私が所属しているPalo Alto Pickleball Clubのメンバーで78歳の方から「一緒に集1回、ピックルボールの練習相手になって欲しい」とFacebook Messengerで連絡が来ました。とても嬉しく、即決で「Absolutely!」と返事をしました。

78歳ですが、元テニスプレイヤーで、強いショットやバックハンド中心に私より上手い方(おそらく私の方が動けるとは思います – 33歳も年下ですので!)なので私には大いにメリットがあります。

彼からすると、なんとなく私の推測ですが、動けて(練習でも、ボールを拾いに行かないといけなかったりしますし)、特に「クソ真面目に取り組んでそうなやつ」が良かったんだと思いますw

このスポーツは本当に楽しく、4人集まるとすぐ「じゃあ試合を開始するか!?」となりますし、3人以下だと4人になるように他のコートから人を呼んでそうするので、結局すぐ練習試合(=”rec game
“)になっちゃうのがいいところ。

逆に、長らく思っていたのは、経験したことがあるスポーツで、球技ならバスケ、ビリヤード、ゴルフ(バドミントン、卓球)、その他なら水泳、ランニング、サイクリングなどの多くの時間は練習(=”drills”)に充てられているので、もうちょっと練習した方が、結局のところrec gameもより面白くなるし、公式な試合に出れば勝てるようになって楽しみも増すし、練習自体も面白いし、一石三鳥的なところはあるかなということでした。

個人的には、ゴルフについてはスタンフォード大学にいた時には「10,000球打ちっぱなし券」を買って、一日300球とか練習していたし、ビリヤードは一日に何時間も「センターショット」などの練習をしていたし、ストイックに練習するのが好きだし、もしかしたら練習のほうが好きなんじゃないかw と思ったりするほどなんです。

ただ、繰り返しですが、このスポーツは中毒性があって、すぐ仲間と、知らない人とでもrec gameを始めてしまうのは、それもそれでしょうがないことで。

とはいえ、コートを眺めていると、真面目くさった顔の人中心に(これは、冗談抜きでなんとなく見て感じるところあるんです)練習をなんとか仲間と、時には一人でやったりしている人をたまに見ます。まぁ、割合的に5%いるかいないかくらいかもしれませんが。

あるとき、長身で、レベルが3.5はある知り合いのプレイヤーから、私が一人で休憩している時に「余ってるなら練習しようよ」と言われて、3rd shot drop、クイックハンドボレー、アタック→トランジションエリアからのリセット(=これは難易度高く、意識高めでありますw)なんかを繰り返しはぁはぁいうくらいまで練習して、最後に彼が目を輝かせて「今度もこれ是非やろうよ!!」と言ったのを聞いて「あぁ、この人は同じ穴のむじなだなw」と思いましたし、「Likewise!!」と返事をしました。


だから、こういう真面目な人っていうのは、「Goodwillを持ったlight変態」くらいな感じなんですが、それでも一定の需要があるかなと。

そうなると、「練習目的で(一方的なコーチングは優良なものについては禁じているコートも多い)一定時間、特定日時でやりたい人をマッチングする(無料)サービス」というのはニーズがあるんじゃないかな、と思っているんです。

アメリカでは競技者人口が約500万人と言われていて、その中の練習好き層が上記の通り5%がターゲットだとすると、25万人がSAM(=Serveceable Addressable Market)。

マネタイズするにはちょっと心もとないパイの大きさではありますが、まぁまずピックルボールコミュニティーに貢献できれば、それはそれでいいじゃないですか!

そうやって練習を通じて知り合ったパートナーとは、もちろんrec gameを始めたり、上手く行けば公式なトーナメントに出る仲になったりもしやすいと思いますし、何より簡単な話、競技のレベルの底上げになるので、業界活性化につながることは間違いない。


本件を含め、他にピックルボールにまつわる下記をマッチングする「Pickleball-bnb(仮称)」のサービス/サイト/アプリについて、ごくごく簡単で、初版ではありますが、事業計画書を作りました。

「日本でも展開できそうだからやってみたい!」「他のスポーツでも適用できそうだし、コーディングやデザインから一緒にやりたい!」とか「これならお金出してもいい♪」とかっていう人がいたら、ぜひぜひ@moshsuzuki までご連絡いただければと思います。

  • Rec gameの相手
  • 練習相手
  • トレーナー、コーチ
  • プライベート コート(有料)
  • 中古パドル(有料)

Silicon Valley

親友とシリコンバレーでビリヤード再戦、8時間、7年越し

今日は、シリコンバレーはサンタクララの親友の家でビリヤードをしました。7年越しに実現した自宅でのビリヤード、8時間。個人的なノスタルジアが強かったので、下記にオチのない昔話を長々とします。


2015年に相当に大きなサービス・システム・機器の企画が始まり、プロジェクトマネージャーになりました。すったもんだがありながらも、予算が取れて2016年に「要件定義」を始めることになりました。

やりたいことが先鋭的で、日本のベンダーでは全然出来ないので、会社はとてもドメスティックなものの、海外ベンダーを東京に招聘して、数ヶ月かけて要件を定義することに。

要件定義については「ライトパーソンを確保できずに失敗した」というのはIT業界のあるあるです。これは業界団体がデータに基づいたレポートも出しているほど。合計で50人くらいのメンバーになりました。

なので、会社で毎日8時間とか50人収容する会議室が取れるはずもなく、結構いいホテルの貸し会議室を借りて朝から晩までやりました。今考えても、今までで一番クレイジーな要件定義だったし、インターナショナルだったし、あれが効率的だったのか分からないほど要件定義としては規模はデカかったなと。

要件が定義出来たら、その後工程は別契約ね♪という立て付けだったので、かなりベンダー側からはPMに接待のお誘いなどが入ります。実際はそれどころじゃないのでほとんど断っていましたが、逆にストレスフルな状況ではあったので、発散する手立てが必要でした。

ということで、多くの日において、打ち合わせが夜に終わったら、海外ベンダーとビールを飲みに行っっていました。一人はイギリス人で、日本人みたいに座って、少しずつ枝豆とか唐揚げとか食べながら長い時間飲む、というより、何も食べないながら、立ちながら大量のビールを飲む、という謎なスタイルでしたが、それはそれで暑い時期だったということもあり、とても楽しかったものです。

ただ、そこからさらに、そいつとは銀座のバグースに行って、夜な夜な球を撞いていた(=ビリヤードをしていた)のです。21時くらいから深夜までやって、ジンファンデルのボトルなんかも入れながら、またビール飲みながら、仕事のことは忘れて、永延と撞き続けていました。それはそれは楽しい時間でしたが、また朝からホテルで要件定義会をする、というこれもまたクレイジーな日々でした。


彼の製品は実は2006年頃から知っていて、日本の通信業界が携帯無線とWi-Fiの融合=FMC(Fixed Mobile Convergence)に湧いていた・踊っていた頃、私はシリコンバレー商材を日本の通信キャリアに売り込む輸入商社業をしていて、今私が所属しているVCで競合製品に投資して→私が売り子を日本でやるというビジネスをやっていたこともあり、彼がCTOをしていたスタートアップの製品を「業界の最有力製品の一つ」ということでよく耳にしていました。


閑話休題。

「やるならとことんやる、喧嘩上等、『手が切れるようなような上質なものを作る』」がモットーなので、相当に仕事に集中し、関係各所と喧嘩しまくった結果、結果として2018年にPMを外され、別の人生を歩み始めかけていたら、その年にアメリカに来ることになりました。

アメリカに来たら、新しいVC仕事へのキャッチアップ、案件の実行、家族の渡米などバタバタバタバタしていて、彼とreconnectする余裕がなかなかなかったのですが、ついに、彼の家でビリヤードするというのが7年越しに叶った、というわけです。


台が素晴らしく、chestnutで作られた、年代物のBrunswick(ビリヤードマニアなら垂涎)!

銀座でやるのは、場所代も高いし、酒も高かったけど、ここなら彼が自分で醸造したビール(!)(以前ビール工場とバーを経営していました。コロナ禍で残念ながら閉じてしまった)を飲める。
(ちなみに、獺祭含め、日本酒も2本も空けている)

イギリス人は頑固なんだろうか、車はアメリカにいても絶対にジャガーw

さらに、Brunswickのラックまである!!

その他調度品のセンスがいいのは、ヨーロッパ人ぽい。

深夜12時から、人生初のスヌーカーをやりました。普通のプールテーブル+スヌーカーキューでやる方法があるのね。酔っ払って、色の点数が全然覚えられないけどw


ただの個人的な昔話、ノスタルジアなんですが、こう45歳になって「真の友人」というのはかなり限られるけど、それがいる、というのは本当に貴重なことだなと。人生、悪くないなと。

それと、おっさんになって、8時間も玉撞きながら思ったのは、ようやくこうなって、彼の家まで来れて、急いで撞かなくていいんだなと。これは説明ほぼ不可能なんだけど、ビリヤード場というのはカネがかかるので、どうしても多かれ少なかれ急いて撞くところがある。ただ、こうやって、だらだら酒飲みながら、撞いてるんだか話し続けているんだか分からないような中で、ようやっと「ゆっくり撞いていいんだな」と。1回1回、球を撞く前に厚みを確認する中で、しあわせを確認するように撞けるんだなと。(そして的球を飛ばすんだけどw)

案外、年取ってよかったんじゃないかな、と。

NFT, Silicon Valley, Technology

NFTを自分で作ってみて学んだこと – 44歳非エンジニアの手習い

先日、ウクライナ支援用で、日本の招き猫をテーマにしたジェネラティブアートNFTをOpenSeaでリリースしました。

[Donation] Welcoming Cats Save Ukraine Stop the War and Putin!!

https://opensea.io/collection/welcoming-cats-save-ukraine/

仕事はテック系VCですが、非エンジニアかつ文系なので体調がおかしくなるほど大変でしたが、、仕事のかたわら1ヶ月で作ることが出来ました。

技術的に内容が完全に正しいかどうか微妙なところはあると思いますが、これからジェネラティブアートNFTを作りたい方などのために学んだことを下記します。プロセスの最初から終わりに向けて並べています。最後に所見なども。


イラスト

若い時にIllustratorとPhotoshopをかなり触っていましたが、また学習し直す時間がないのと、そもそもかわいいイラストが書けないので、気に入った招き猫のイラストのHPを探し、直接交渉しました。
このイラストレーターさんが非常にいい方だったのが、まずラッキーでした。

支払い=PayPal

私は今アメリカに住んでいますので、日本にいるイラストレーターさんへの支払いは、頭痛の種の予感がしていました。(一つには、海外在住社に対しての邦銀のネットバンキングが非常にクソいというのがあります) 但し、今回PayPalでいいですよと言ってくれて非常に助かった!
細かい話ですが、普段使っているアメリカのPayPalアカウントだと毎回為替手数料が結構ボラれるので、面倒でも日本のPayPalアカウントから払うことを覚えました。とにかくアカウント名ベースでものの1分で支払いが出来ますので、フィンテックの雄、本当に助かりました。

ジェネラティブイラスト

もともとは100個くらいのイラストを書いてもらおうと思っていたのですが、ジェネラティブの方が全然いいじゃんか、というのは後から気付いたのは計画性のなさ・アホの極みだと思い、しばらく落ち込みました。。
そこから追加費用を払い、当初の10イラストを部品化し(=追加費用)、さらに10イラスト分を追加し、計算上10億個くらいのジェネラティブアートが作れるように準備をしました。
ただ、イラストレーターさんとちょっとしたミスコミュニケーションや誤解があり、アクセサリと手が重なってしまう、などの事態が何回か起こったのでその都度協議して、追加費用も払ったりしながら修正していきました。
個人的にここら辺は過去の仕事で感情的になってこじらせることが何回もあって、ただもうかなりの中年になってきたので、建設的な会話が出来たのはとてもよかったですし、そもそもイラストレーターさんが非常にいい人だったというのもありました。

ジェネラティブイラスト生成

このGithubからソースコードを入手して、YouTubeビデオを見ながらVS Codeで必要な修正をして、バッチを回します。何回か上手く行かなくてまた精神的に落ちたりしたのですが、上手くいったときはそれはうれしかったですね〜
非エンジニアによる、ソースコード作業の最大の弱点は、「エラーメッセージが出ると心の底から怖くなる」ということかなと個人的に思っています。震える… まあ、今回何回もエラーが出たのでいい加減慣れてはきましたが、やはり「それが何を意味しているのか」を読み解けない、チュートリアル以外のことは出来ない、というところからこの恐怖感が来ています。

ソースコードの生成(メタデータ生成、IPFSへのデータアップロード、ミンティング)

これも上記の通りGithubからソースコードを入手して、上記のYouTubeビデオを見ながらやったのですが、ここで大きな大きな落とし穴があり、私を軽いうつ病へと陥れた罠が!
ビデオの中では「このビデオの通りに作業すべく、このビデオで指定したバージョンのコードを使ってね♪」とあるのですが、結局結構な数のバグがあったり関連するモジュールの変更があったりして、最新のソースコードを使ってやるべきだったのです。そうするとビデオの内容と差が出てきて、何とかやりきるしかないですがクリティカルなバグを包含したバージョンでは前に進まないので、やはり最新のバージョンを最初から使うべきでした。

その意味において、最近新しいチュートリアルビデオ Version2がリリースされたので、こちらを絶対に見るようにした方がいいでしょう。

とはいえ、NFTのメタデータとはどんなものか?そしてそれがOpenSeaなどでどう反映されてどのように見えるのか?というのが分かったのは大きな収穫でした。なるほどね〜〜と。

また、web3ではなくてはならない「IPFSについても、メタデータと自分の子どものような作れた画像をアップロードすることでURL形式だとかそもそもの仕組みだとかもよく分かりました。

さらに、そういう作業を通じて、NFTにおける「オン・チェーン」「オフ・チェーン」って何なのか??と調べた時に、書いてある説明文が自分の中で咀嚼できるかどうかというのは、こういう作業なりを通じてベースの部分が心底理解できるかによる、と思っています。ぐらぐらな土台にグチャッとしたものを乗っけて、さらにその上に・・・とやっていくと何が何だか分からなくなってしまいますが、土台(=この場合データレイヤー)をしっかり理解できたことで、まだ何とかその上位の概念が理解しやすいというのが、テクノロジー全般に言えることですがとっても大切なことかなぁと44歳のおっさんになってもいつも思うことです。

Rinkeby Test ネットワーク

何か、Rinkeby TestネットワークってTwitter経由申請とかってめんどくさくない?そもそもそれ使うことで更に面倒が増えるだけじゃない??とかって思ってたけど、そんなことは全然なかったw
単に思い込み、ということがどれだけ多いことか!

スマートコントラクトにおけるAPIサービス

これはまだ十分に理解できているわけではないんですが、、自分で一からスマートコントラクトを作って、ウォレットアドレス、トランザクションハッシュ、IPFSのURIなどを全部紐つけながらまとめていくのは自分には超難しい〜不可能なレベル。

それを一纏めにやってくれるのが、APIサービスとしての NFTPort。これがなかりせば、今回完成にはたどり着けなかった。

他にも色々サービスがあるんだと思うけど、もっと使いやすいのが出てくるだろうし、ここら辺のユースケース、使い勝手、料金(月額99ドル払っています)などで思考を繰り返していき、ディスラプションや最適解を考えていくことで、自分のVC業における投資チャンスなんかもあるんじゃないかと感じた。(これ、仕事観点ではとっても重要です)

ミンティング

個人的に、いくつかNFTは手動でミンティングしていますが、プログラムでバッチミンティングしたのは初めて。上記の理由とその他色々な理由で途中でエラーが出まくりましたが、何とかバッチが回り、
#1 minted!
#2 minted!
とメッセージが出たときはちょっと感動しましたw
今回のNFTはPolygonで作っているため、ガス代がかからないのもポイントです。(NFTPort自体がEthereumをサポートしていないというのもある。なぜなのか!?)

OpenSeaへのリスティング

ジェネラティブなNFTを作った後に、「バッチでOpenSeaにリスティングする」方法がいま無いのです。。これは間違いなく今後対応されると思いますが、方法は2つです。
1.マニュアルで全部対応する
2.マクロツールを使って自動で画面操作をする
上記は方法論ですが、今回の目的はウクライナ支援に定めたので、多く払える人・少なく払いたい人両方から寄付を受けたいと思い、1ETH/0.1ETH/0.01ETHの3種類の価格設定にしました。
そうなると今回の100体くらいだと2はそれほど効率的でもないので、またトラブルでお腹を痛くするくらいなら…と1のマニュアルで対応しました。かなり神経を使いますが、1時間半くらいで完了したと思います。

2については同じくcodeSTACKrからのチュートリアルビデオがありますので、参考にして下さい。

その中で使っているマクロツールはMini Mouse Macroというもので、勉強のために自分でも動作させてみましたが、上手くいったり上手くいかなかったり(主にページ読み込みなどの時間との関係で、各種マクロ動作が間に合わないとマクロが正常動作しない)で、この分野はしっかりとした専用ツールのニーズあるんじゃないかなあと思います。

また、メタデータで個々のNFTに付随する説明書きと、コレクションのページ全体に書かれる説明書きは別で、後者は https://opensea.io/collection/(コレクション名)/edit のURL下で編集することになります。

メタデータのフリーズ

メタデータのフリーズ(以降、まったく編集不可に固定すること)については、NFTPortを利用する場合は設定画面上明示的に設定する、とチュートリアルにはありましたが、その作業を行った記憶はないのに、メタデータはある時点でフリーズされているようでした。
この点は謎が残っています・・・

レア度が未設定!

これは、NFTとして致命的なミスですが、知り合いのNFT・メタバーススタートアップのCEOの方からご指摘頂き判明しました。(ありがとうございました!)
チュートリアルビデオに、そのステップがなかったので…という言い訳になってしまいますが、この点は絶対に次回以降改善しなくてはいけません。

ウェブサイト

http://welcoming-cats.xyz/

3年ぶりくらいにウェブサイト作るもんだから、AWS Lightsail+Wordpressで作れる、ってことをすっかり忘れていて、何をとち狂ったか、AWS EC2 で最初作ってみたけど、作るのは大変だし、相当ランニングコストが高い…と思いながら作っていて、Lightsailを思い出した時点からまた軽い鬱っぽくなってしまった…
個人的に、Wordpressというのはどうしてここまで流行ったのかまったく謎で、バグだとか使い勝手だとか沢山あり、どうにかならんかとは思っているものの、新しいプラットフォームを使う気にもならず、WPにした。(ちなみにこのブログもWP)
で、買ってきたテーマがレイアウトはまぁまぁなものの、buggyで、今もバグが残っていて、本当に腹立たしいのだが、もう、ちょっと放っておいている・・・

SNSアカウント

https://twitter.com/welcomecatnft
https://www.instagram.com/welcoming_cats_nft
https://discord.gg/Qb4XGYb8tg
https://vm.tiktok.com/TTPdSBDk9K/

アカウントを作るのは大変ではないですが、個々のアカウントにそれなりに説明書きや写真をアップロードしていくのはそこそこ手間ではあります。

ただ、TikTokはおじさんとしてあまり使わないものの、今回こんなビデオが簡単に出来ちゃうというのは、「ビデオエディターとしてのTikTok」に感心しました。音楽はたまたま我々が投資している88risingレーベルのRich Brian “History” で、めちゃめちゃクールに仕上がりました!

@welcoming_cats_nft

– Welcome Cats beckon luck and crypto to you! -Japanese traditional Maneki Neko will bring you fortune in web3 era #NFT

♬ History – 88rising, Rich Brian

とはいえ、ここらあたりで息切れしてきて、各SNSアカウントにコンテンツを追加していく作業に手が回らなかったのが、大きな後悔です・・

デジタルマーケティング

今回ペイドメディアを使う原資が無かったのと、試行的にもやる余力が無かったのと、SNSマーケティングは上記したような体たらくだったので、ここが結果的に一番弱かった。

地道にメディアにアプローチするなりして、下記のように取り上げてもらう、というのもすごく大切だと理解しているんだけど、どうしても時間的な余力がなかった。

これは「作って満足して、売るところまでたどり着かない」本末転倒な一番悪い例であり、次回以降大きく改善したいところ。

色々なNFTのドロップをNFT Eveningなどで毎日見ていると、どうしたって「NFTをドロップ、ミンティングする前のマーケティング、アナウンスメント、ストーリーの伝達」がクソ重要だということは、よーーーーく分かってきたので、これも大きな反省点であります。

この分野はトラディショナルな知識(SEOなど)と直近のSNSマーケティング等のトレンドと両方持ってないといけないし、私も若くないし、それなりに力技でもあると思うので、次のプロジェクト(=元々の招き猫イラストNFT)で一緒にやりたいという方いれば、上記のSNS経由などでぜひご連絡下さい!


所見・総論

  • 元々は「ちょっと小銭が稼げたらいいな」と思って始めたのですが、途中でウクライナで戦争が起こり、売上全額寄付型としました。
  • 売出し直後に販売できた0.3ETH分は、Ethereumでウクライナ政府に寄付出来たのでよかった。寄付者の方に心よりお礼申し上げます。

Donated NFT sales to Ukraine – you can help too from TODAY!

http://mosh-in-silicon-valley.tech/donated-nft-sales-to-ukraine/

  • それと、そもそもは「web3でのビジネスを考えるにあたって、土台の部分から理解したい」というのがあった。
  • 現時点でもNFTをはじめ、ゲームを中心に、メタバース、インフラ、ドメイン、DeFi、DAOなど色々な分野でビジネスが勃興しているが、技術的には絶対にデータレイヤーであるブロックチェーン〜スマートコントラクト〜IPFSくらいまでを知っていないと、上位レイヤーのことが本質的には決して理解できない。
  • 業務上、ベンチャーキャピタリストとしてはそれ以外の観点で、たとえば極端な話「Andreessen Horowitz が投資しているからコバンザメ的に出資すればハズレがないね♪」というようなアプローチも取れなくはない。
  • ただし、結局商社系のCVCとして「価値を生むビジネスを作りながら、フィナンシャルなリターンもエンジョイする」となると前段の部分においては、本質を見極める力は必要不可欠なので、今回NFTの作成を通じて、広く浅くだけどよく仕組みが1ヶ月そこらで理解できたのは本当に良かった。
  • また、とどのつまりは「人生のうちに、何を成し遂げたいか」という問いに戻ってくるのだけど、自分の場合は「いくつになっても勉強を続けながら、それを元に価値を生みたい」んですよね。勉強しながら机につっぷして死ぬ、みたいな人生がいいかなとw
  • ただ、(デジタル)マーケティングの部分で力不足でNFTが売れてないんじゃ、価値を生み出したことにはならないので、次のプロジェクト、「Welcoming Cats NFT」にて捲土重来、元気にマーケティングしていきたいと思いますし、プロジェクトとして一緒にやりたい方がいればレベシェアみたいな形でやれればと思います、ぜひご連絡下さい!(一人でやるのはさみしい・・)
  • ジェネラティブアートをAIで自動生成し、それを一気通貫でミンティング→マケプレへのリスティングまでするソリューションスタートアップのCEOと話した時には「アメリカでは各人の役割分担が明確なので、エンジニア、イラストレーター、マーケティング、企画、プロマネなど別々で何人もがかりでやることが普通」とのこと。アメリカならさもありなんとは思います。今回は一人でよくここまでやったな、と。
    次はみんなでわいわいやりたいです!
Business Idea, Media, NFT, Silicon Valley

日本に来月帰任される方のお子さんが先週末San FranciscoのChace CenterでWarriors vs. Lakersの試合(最後にWarriorsが2点差で逃げ切りました。LeBron James、Anthony Davis、Russell Westbrookを擁するチームに勝つって本当にスゴイことです)を見て、帰国前にもう一回行きたい!と言っていて鈴木さんご一緒にどうですか?とお誘いいただき、ぜひぜひということで行ったものです。

Chase Centerの入口で渡されたのが下にあるパンフレットで、巻末に何やら無料NFTゲットと書いてある。これは頂かねば。

試合中のタイムアウト時にも電光掲示板に、その無料NFTの案内が表示される。

ここで一つ特筆すべきは仮想通貨証券所のFTXです。

会社価値が$32B(=3.7兆円)にもなっており、世界のスタートアップの中でも11番目の大きさだとか。それだけの価値があれば、広告もバンバン出せますね。

あるあるですが、結構入力する情報は住所に限らず多い… スタジアムで全部完結させるほど気の長いアメリカ人は多くないものと思料・・・ 家に帰ってやる人はいるかも。

そしてゲットしました!

さっそく売りに出してみようと思いましたが、システムエラーが出て出来なかったので、後日トライ。

価格は自由に設定できるので、とりあえず$10としておきました。

売れた時の手数料は、$0.2とのこと、2%になりますが、リストする時点で手数料を取られる(またガス代もかかる)OpenSeaとは違いますね。


所感。

  • シリコンバレーという場所柄か、NFTのプレゼントが普通に行われていることに驚いた。
  • 市場調査では昨年中ごろには購入したことがある人は2%で、まだそこまでの市民権を得ているとは言えないものの、今後どこまで勢いを得ていけるか。
  • 先日のSuper Bowlの試合の間のCMではかなり仮想通貨関連のCMが多く、仮想通貨についてははかなり取引量も増加している。
  • FTXのような仮想通貨取引所の躍進も上記が背景となっている。
  • 昨年11月頃の最高値から、株価が急落していること、インフレ率が高騰していることとがアメリカ人を投機に走らせている動機になっていると思料。
  • NFTへの投資の本来的な意義と、NFTの本来的な使い方についての議論がこの半年の間で進み、NFTの価格についても調整局面が来るものと予想している。
  • 本日もらったNFTは販売出来れば御の字だが、今日の日にスタジアムに来て本物のWarriorsを観戦した、という思い出にはなるが、思い出なら下記のような写真の方が分かりやすいよね、という話は大いにある。
  • 試合自体は、4Qの残り5.9秒でステファン・カリーが3点ポイントを決め、逆転かつ2点差を付けることに成功したが、最後0.0秒でナゲッツに大逆転3ポイントを決められ、1点差で敗北した…
Media, NFT, Silicon Valley, Technology

NFTの蒐集品については、アートがベースになっているものが少なくないので、それを会場で展示します、というビジネスは有料にせよ無料にせよ、さもありなんという感じですが、有料にしてやるとなるとかなりハードルは上がりますので、実行に移した人は偉い!

ということで、申し込んで見に行ってきました。

https://feverup.com/m/108251?utm_source=secretsanfrancisco&utm_medium=post&utm_campaign=108251_sfo&utm_content=verse-nft-exhibit-open-gates

価格は、スマホでARを見るだけなら$20、Microsoft Hololenz2の装着と記念NFTまでついたものだと最高で$85という値付けです。(タイミングによってかなり上下する)

折角なので、全部込みのものにしてみました。

会場はSanfrancisco Mintで、硬貨鋳造に使われた歴史建造物なんですね。もちろんNFTの「ミンティング」に引っかけている訳で、洒落ています。

入口でARアプリのダウンロードなどがあり、結構大変です。

各部屋でARとホログラムが見れます。

さすが鋳造所、レンガ造りで雰囲気がある。

上記の写真の左側にあるようなQRコードを読み込むと、空間にARが出てきます。

ARの横にある「OpenSeaで購入」リンクをクリックすると、実際にNFTとして購入できます。3.5ETH 130万円くらい。高い!

まだ購入やオファーはされていないようです。

ここまでは「NFT購入可のアートAR展」といったところ。

個人的には、ふむふむ、というくらいな感じですね。

ただ、3Dアーティストにこのような販売の道があることはいいことです。

次に、Microsoft Hololenz2を使ったホログラム・ホログラフィーを見ます。

こちらは「おぉ!」というくらいの感じでしたが(撮影が出来ず残念です)、ちょっとHololenzの視野角が狭い、具体的には眼鏡のガラスの外側が見えてしまうので、没入感はあまりないと感じました。

また、NFTとしての金額は見れますが、購入はホログラムの中からは出来ない。

以上となります。

チケットに一緒に付いてきたNFTは「後日」メールで送るとのことで、UX的には肩透かしな感がありましたが、各地でおそらくこのVerseを展開することを考えると、販売できるような価値は付かないでしょうから、日本でいうと「ケーブルカーなどに乗る際に購入するチケットの上半分の風光明媚な写真」(取っておく人は取っておくし、大半の人はすぐ捨てちゃう)くらいの価値しかないかなとは思います。

ビジネスとしては冒頭に書いた通り$20~85を取りますが、アプリのダウンロードに時間がかかる(=オンボーディングに時間ががかる)、Hololensの台数に限りがある(見た限り15台くらいで廻していそうでした)ということから、そんなに人数はさばけないイメージなのと、当日は日中昼間だったので利用客は10人ちょっとくらいに見えました。これでこのサンフランシスコの真ん中の建物の利用料・賃料と人件費をカバーしてペイできるかは微妙なところか。

なので、NFT販売からの収益をどう上手に組み込めるか、というところですが、あまり「これを買いたい!」とは思わなかったかな。ARで見れるのは「お!」とはなったけど、結局OpenSeaでは2Dだったりもしますので。

となると、専用の展示場ではなく、レストランなどで簡便にこの手のAR・ホログラムアートとNFT販売を組み合わせることが出来るか?ということになるか。ちょっと導線が複雑になりすぎて合わないような気もします。

とはいえ、このように思考回路を巡らしていき、何か新しい価値が提供できないか、何か新しいビジネスがアメリカ、日本、その他海外で展開できないかと体験し続けながら、考え続けることが大切だと思います。

Silicon Valley, Startup, Technology, Tesla

これ、前からあったっけな? クパチーノのマルカイの駐車場です。(明日はしゃぶしゃぶなのでその買い出し) EV充電無料って書いてあるよ!えぇ!! 個人的には今まで見たことなかったな。

買い物は、嫁と娘に任せて、自分はVoltaってどんな会社かテスラの中で調べてみた。(1ポートしかなく、隣でテスラが充電中なので私はそれが空くのを待つことに)

https://voltacharging.com/

  • 全米に2,000ポート(=要は充電ケーブルの数でしょう)あり、800箇所に設置。
  • 上場済。2020年時点ではSPACっぽい。今はVOLTとして合併完了したみたい。
  • 本社はSF。
  • ハワイ含めたアメリカで展開済で、ヨーロッパにも展開計画中とのこと。
  • 基本的にこのデジタルサイネージ広告で儲けている。売上高は四半期で10億円くらい。
    昨年比77%増
  • チャージングステーションを個人・法人に作ってもらうビジネスもやってるが、漸減中。
  • 純損失は50億円弱!
  • PSRが55倍!!!!

ラーメンHajimeで本当に美味しい担々麺を頂いた直後だったのですが、PSR見て全部戻しそうになりました。PSR55倍って…

ただ、よく見てみると、うちの会社の駐車場にもあるChargePointは46倍、Blink Chargingにいたっては115倍と、担々麺を車内で戻さなくて良かったです。

お、隣のテスラが出ていった。タダ充電チャンス!!
ジンファンデルチャンネル ステッカーが夕陽に輝いていることに注目)
おぉー充電ちゃんとされていますねー(Teslaは自分のアダプターを付けないといけないことに注意)

ただ、HPに「うちらはLevel2充電ステーションだからさ」って何度もうたってあるんだけど、どういう意味なのか。格落ちみたいな?

おぉ、32Aですね。だから、Level2というのは「家庭で12A/110Vでとぼとぼ充電するのとはパワーが違う、時間が短い=レベチだぜ、という意味ですな。

ということで、

  • 普通の自動車が考えると、「ガソリンをタダでもらっている」みたいなことだから、本当にうれしい。(アパートなんかに住んでいると、家で充電できない人もいますしね)
  • デジタルサイネージ+チャージングステーションというのは、まぁ考えつくビジネスアイデアではあります。ただ、この資本集約的なビジネスを実際に展開できるのが、シリコンバレーの強さ!
  • ただ、売上10億円、損失50億円、PSR55倍というのは、もう新しい資本主義というか株式市場というのか、$10/杯のラーメンを月一回食べることを心持ちにしている私のような庶民からすると、なかなか理解しにくいレベル感ですね。
  • とはいえ、将来的なガソリン車の新規販売規制を見据えた株価形成であることは間違いなく。
  • うちも以前日本で充電チャージングビジネスはやっていたですよ実は。だけど、電気自動車の普及より全然早く始めてしまい、上手くいかなかった。これも難しいんだけど、タイミングとふんだんな資本というのは本当に重要。

こういう、「あったらいいな」だけどビジネスとして成立するのか?というようなモデルが実際にモノになって触れることが出来るシリコンバレーという場所は、本当に心の底からワクワクする場所だと思います。

マルカイの横のビアードパパのシュークリームが売り切れていてブチギレていた嫁と娘にも、大きな観点を持てよと言って聞かせたいです。

Amazon, e-Commerce, Silicon Valley, Startup, Technology, VC

NYなんかは最近もう日用品の配達について、Instacartが1時間DoorDashが15分Getierが10分、とめちゃくちゃ短縮化してきていて、「Ultrafast grocery delivery」というカテゴリーで呼ばれています。

シリコンバレーはそこまで加熱していないなーと思っていたら、バス停で広告を見つけてしまった。もう反射神経的なものとして、また使わないと、と思った。

初回3回の注文で$20 off!? デカいじゃないか。
嫁と買い物に行っていたら、「お、Popcornだ。割引コードもあるし、今日はピザでも買って夕食は簡単にするか」
嫁:異議なし。Popcornバンの写真まで撮ってくれた。夕食作らなくていいから、機嫌がいいんだろう…

よくあるUI。
18分で来ると!
日本カテゴリも一応あるが6つしかないのと、キューピーマヨネーズ¥2200円くらいって、どういうことだ
セーフウェー等と比べて、品揃えが悪く、買いたいものもあまりなかったが、夕飯をこれで済ますと妻と約束したので、やむなくマルゲリータピザなどを購入。大き目のピザだけど、冷凍ピザ¥1,840だから、物価の高いことよ!
ApplePayで払えるのは便利。
チップのデフォルトは$5→購入金額に合わせて$3に変えた。
バス停広告で見た割引クーポンコード”Pop20″は使えなかった!(怒)→この品揃えだと、ここで脱落する人は十分にいそう
配達料は$1.8。
これは、他のネットスーパーに比べても安いくらいなので、その点は非常にgood!!!
本当に18分で来るのか!?
結局37分もかかったw
配達員の方に聞いたら、この家は奥まってて、カーナビが変な案内をしたので、とのこと。確かにそうなので、しょうがないかもしれないが、20分オーバー、2倍はちょっといただけないかも。
例のバンで来てないの?と徒歩の配達員に追加で聞いてみたら、ちょっと離れたところに置いちゃったんだけど、バン自体は冷蔵庫・冷凍庫完備でデカいのよ!とのことでした。
また、配達記録に写真だけ撮らせてね、とのことなので、どうぞどうぞと言って、Have a great day! とお別れをしました。

まとめとして、

  • ネットスーパーの需要は引き続き高く、なかなか配達ウィンドウが空かない(翌日まで待たなくてはいけないなど)こともよくあるので、18分で来てくれる、というのは利便性は高い
  • それにしても品揃えが悪く、まだ実用性には乏しい。
  • それでも、バンを買い揃えたりドライバーを雇ったり、商用化して進むのはシリコンバレースタートアップならでは。
  • とはいえ、バンは自社用に塗装もしているのでリースなのか(=費用化、OPEX)、購入なのか(=資産化、CAPEX)なのか分からないが、どっちにしても財務的な負担は大きく、立ち上げに相当な資金需要が必要だったと思うが、スタートアップDBサービスには投資家などの詳細がなく、謎が多い会社ではある。
  • ビジネスがうまく成長すれば、InstacartやWeee!やスーパーマーケットに買収される可能性は大いにあり、そういう点ではexit pathが明確、とはいえるのでは。
Cat, Silicon Valley, Technology

これ、家猫じゃない猫を飼っている人しか分からないかもですが、「自分の猫が外でどこにいるか知りたい!」っていうのは長年の夢だったわけです。

もちろん、GPSデバイスはかなり昔からありましたが、少々お高いのと、何より結構な割合で月額利用料(=今流行のサブスク)で結局高くつく、というのがコスト面での課題、

そして、バッテリー含めてサイズが大きくて、犬はまだしも、猫にはなかなかつけられないというのが大きな問題でした。

但し、それをバッテリーと無線テクノロジー、およびネットワークイフェクト的なもので解決してくれたのがAppleのAirTagでした。

AirTagについては以前私は記事を書いています。
AirTag使ってみた ー 感想レポート【素ん晴らしい】

早速うちの猫につけてみました。(ちなみに「うちの」と言っていますが、色々な家に出入りしている猫なので、誰がオーナーなのかも分かりにくいような不思議な猫なのです)

ちょっと不機嫌そうな顔に見えますが、猫の顔っていうのはこんなもんですw

AirTagをしまうシリコンの部分はAmazonで$9.95で買いました。(少々高い)それを囲うバンドの部分は結線バンドみたいなもので、DYIです。

そして、外に出して、iPhoneのFind Myのアプリで見てみると、、

おお、見れる!(下の方の猫の体のアイコンです)少しだけど遠出しているなぁ
今度はそっちかい!
そこは、いつもお世話になっている人の家じゃないかw
あまりにも面白いので、Find Myの画面をテレビにキャストして、それを酒の肴にしたりする
どこの家におじゃましてんのよスターちゃん!みたいなツッコミを入れる

猫というのは研究により、近くしか行かない猫と、数キロ先まで遊びに行っちゃう猫と、結構様々だということが分かっています。
うちのは、結構「出不精」な猫だってことが分かりましたw


ただ、長年の猫の散歩先を知りたい、という欲望をいとも簡単に叶えてくれたAppleに感謝です。技術的には、iPhone が世界中に数十億台と出荷されたことによって、無線ネットワークがナチュラルにできちゃった、というところが大きいです。
テクノロジーを駆使できれば色々面白いことが分かる。

COVID, Japan, Silicon Valley, Zinfandel

「無事に帰宅しました!」はいいとして、この「オミクロン禍」で何で帰国したんだ、そういうやつがいるから市中感染が・・・という話はあると思うんですよね。この手の話は宗教議論的なところもあるので、自分が必ずしも正しいとも思わないのですが、今回の目的は下記だったということだけ、私的に記録しておきます。(これがないと、何で隔離ホテルにジンファンデル持ち込んでいるんだ、みたいな話だけが残っちゃうので)

親父よ、安らかに眠ってくれ。

真歌も立派に大きくなって、中学受験の歳になりました。俺は公立でもOKとも思いましたが、しっかり勉強したいということで、毎日深夜まで頑張って英語で勉強しています。親父も結構英語を勉強したけども、結局出来るようにはならなかったので、英検1級も受かったので、真歌の勝ちですねw
受かったら家族として日米にどう分布するのかはゆっくり考えます。

母も元気そうで良かったけど、当然のこととして歳を取りましたね。ただ、ヘルパーの仕事もしていますし、畑まで荷物持って歩いたりしていますし、まだまだ健在です。畑も、大きいブロッコリーなんかが出来ているし、地主さんはいつものようにネギや里芋を山のようにくれました。こういうのは寒川の本当にいいところですね。
これからよりうちが暮らしやすくなるように、切れ味のいいすりおろし器とかふかふかなタオルとかを母に買って残していくつもりです。

尚子は日本に帰ってから、美味しいもの食べて、熊澤酒造のお酒飲んだりして、健康そのものですw 真歌の勉強や帰国のもろもろを take care してくれて感謝感謝です。日本ではゆっくり骨休めしてもらいます。

息子も元気でアメリカでやっています。ほとんどのことは上手くいかないけど、44歳になって「そういうもんだから、上手くいくまでやり続けよう、失敗して、芸の肥やし。商社マンは男芸者(^O^)/」という境地にあるのは、負け惜しみかもしれませんが、新たなnirvana levelと言えるかもしれません。

うちもきれいに保たれていて、温かいし、お風呂も大きいし、家庭菜園もすくすく育っているし、すこぶる快適なんですが、居間に置いてある祭壇っていうのは自分的には墓なんかと違って、不思議なもんでどうも見ていると泣きそうになるところがあって、一日一回は手を合わせますが、それ以上はあんまり目を合わせないようにしてw、お風呂やシンクの掃除したり、一日二食家族のために畑で取れた野菜を使って料理したり、雨戸を開け閉めしたりして、うちにいる間は忙しくして過ごすこととします。

親父がくれた宮田工業のサイクリングシャツは、一旦祭壇に戻しておきました。二人で35年前くらいにミヤタでトライアスロンをやったのは今でもいい思い出です。今も会社にチャリで行ったりしています。サイクリングを俺に教えてくれて、ありがとう。

昨日は雪も降って、墓の中は寒いでしょうが、自宅待機期間が終われば墓参りにも行きますので、ゆっくり安らかに眠ってください。親父が残した家族は元気です。

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