NFTの蒐集品については、アートがベースになっているものが少なくないので、それを会場で展示します、というビジネスは有料にせよ無料にせよ、さもありなんという感じですが、有料にしてやるとなるとかなりハードルは上がりますので、実行に移した人は偉い!
ということで、申し込んで見に行ってきました。
価格は、スマホでARを見るだけなら$20、Microsoft Hololenz2の装着と記念NFTまでついたものだと最高で$85という値付けです。(タイミングによってかなり上下する)
折角なので、全部込みのものにしてみました。
会場はSanfrancisco Mintで、硬貨鋳造に使われた歴史建造物なんですね。もちろんNFTの「ミンティング」に引っかけている訳で、洒落ています。
入口でARアプリのダウンロードなどがあり、結構大変です。
各部屋でARとホログラムが見れます。
さすが鋳造所、レンガ造りで雰囲気がある。
上記の写真の左側にあるようなQRコードを読み込むと、空間にARが出てきます。
ARの横にある「OpenSeaで購入」リンクをクリックすると、実際にNFTとして購入できます。3.5ETH 130万円くらい。高い!
まだ購入やオファーはされていないようです。
ここまでは「NFT購入可のアートAR展」といったところ。
個人的には、ふむふむ、というくらいな感じですね。
ただ、3Dアーティストにこのような販売の道があることはいいことです。
次に、Microsoft Hololenz2を使ったホログラム・ホログラフィーを見ます。
こちらは「おぉ!」というくらいの感じでしたが(撮影が出来ず残念です)、ちょっとHololenzの視野角が狭い、具体的には眼鏡のガラスの外側が見えてしまうので、没入感はあまりないと感じました。
また、NFTとしての金額は見れますが、購入はホログラムの中からは出来ない。
以上となります。
チケットに一緒に付いてきたNFTは「後日」メールで送るとのことで、UX的には肩透かしな感がありましたが、各地でおそらくこのVerseを展開することを考えると、販売できるような価値は付かないでしょうから、日本でいうと「ケーブルカーなどに乗る際に購入するチケットの上半分の風光明媚な写真」(取っておく人は取っておくし、大半の人はすぐ捨てちゃう)くらいの価値しかないかなとは思います。
ビジネスとしては冒頭に書いた通り$20~85を取りますが、アプリのダウンロードに時間がかかる(=オンボーディングに時間ががかる)、Hololensの台数に限りがある(見た限り15台くらいで廻していそうでした)ということから、そんなに人数はさばけないイメージなのと、当日は日中昼間だったので利用客は10人ちょっとくらいに見えました。これでこのサンフランシスコの真ん中の建物の利用料・賃料と人件費をカバーしてペイできるかは微妙なところか。
なので、NFT販売からの収益をどう上手に組み込めるか、というところですが、あまり「これを買いたい!」とは思わなかったかな。ARで見れるのは「お!」とはなったけど、結局OpenSeaでは2Dだったりもしますので。
となると、専用の展示場ではなく、レストランなどで簡便にこの手のAR・ホログラムアートとNFT販売を組み合わせることが出来るか?ということになるか。ちょっと導線が複雑になりすぎて合わないような気もします。
とはいえ、このように思考回路を巡らしていき、何か新しい価値が提供できないか、何か新しいビジネスがアメリカ、日本、その他海外で展開できないかと体験し続けながら、考え続けることが大切だと思います。