Business Idea, Silicon Valley, Technology

新規ビジネス/オープンイノベーション/DX の落とし穴

今は、COVIDで業績が落ちている企業が多いと思うので、「新規事業をやれ!」と号令がかかっている会社が多いんじゃないでしょうか。

色々な切り口があると思います。既存の事業の強み・ノウハウ・コネクション、技術開発力、規制などの参入障壁、ニッチ戦略、現状の顧客基盤にアップセルでアプローチなどなど。

その中で、技術/テクノロジー軸で攻めていくのが「オープンイノベーション戦略」、「デジタルトランスフォーメーション」(DX)、「スタートアップとの共創」などで、これらは「うちの会社でもやってる!」と思った人が多いでしょうが、色んな企業の人と話す機会に恵まれている現職において感じるのは、大きな企業は多かれ少なかれほとんど名前は違えどこの手のことをやっているかなと。

これらの取り組みは成果が出るのに時間がかかるものも多く、何がベストアプローチかっていうのは判断つきにくいですが、足元や周りを見る限り、社内のスピード感を世界/世間に合わせるということを含めて「トランスフォーメーション」とかイノベーションしないと成功しないんだろうな、というのは、各企業を見ながら、過去10年くらいの各社の巧拙、成功・失敗を見て強く思います。

日本企業は、昔から山ほど語られていますが、会議多いし、レイヤー深いし、稟議・はんこ、承認フロー、そして根回しなどが複雑怪奇なので、そこから変えようじゃないか + テクノロジー/イノベーション という方程式にしていかないと、「うちの会社は10年検討してきて人事システムの一部についてはプライベートクラウドに移行することが出来ました。まだ一部、ホストコンピューターも残っていますけど。てへぺろ」みたいなことにマジでなりかねない。もう「てへぺろ」と言う人もいないのに口に出してしまいかねない。

ちょっと、我ながらたとえが分かりにくいと思うところですが、結局、市場を先取りして、利益をエンジョイすることがまず企業の目的の大きなものだとすると、やはり「速く動ける」仕組みが何より必要でしょう。

どっちかというとテクノロジー、イノベーション、デジタルトランスフォーメーションの前に、速く物ごとを決めるにはどうするかという仕組みのところを会社上層部で決めたほうが、会社の他の側面も含めてよっぽど有益なんじゃないかな。

だから、「どうやってDXを我社に起こすか検討会」「オープンイノベーションのあり方について、部長級隔月定例会」とかを長年かけてやっているようだとマズい感じかと。

たとえば、Comcastなんかは会社としては巨大ですが(たとえばDreamworksもUSJもSkyも同社配下だ)、自社の主要TVサービスをタコ足食いしかねない「Peacock」を今年リリース。非常に好調に加入者を得ている。
だけど、テクノロジーもコンテンツもあったんだから、Disney+に先駆けて出していたら、もっと加入者取れていたんじゃないか(もちろんDisney+の強力なコンテンツには勝てず、上回っていただろうとは思いませんが)、もっと「速く」動いていたら、市場の風景はどうなっていただろうか、とかね。
下記の表情を見ると「遅いよ〜」と言っているようにも見える。

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