仕事がら、シリコンバレーなどのアメリカの大企業の方とお話する機会が非常に多いです。
話していて感じるのは、日本の大企業において「これからどう先に進んでいっていいか分からない」(=だからシリコンバレーなんかに出先を出してみた) 「情報を得ても、それ使ってなかなか実行に移さない」ということです。
これは、色々理由があるでしょうが、大体は ①組織の若返りが進まず(年功序列、終身雇用的) ②若手の声が届かず ③テクノロジーの取り込みが進まず(自社でリソースを十分に持たない) ④既存のビジネスモデルにとらわれている(イノベーションのジレンマ)みたいな話に帰結しますね。
では、上記の想定が仮に正しいとしましょう。その場合、どうしたって①〜④を全部多かれ少なかれ変えなきゃいけないでしょう。(ここでまた大概の場合、大枚払ってコンサルに調査や提案など業務委託して、その大量のレポートを放置するのが日本企業w)
だけど、みんなバカじゃないので、特にコンサルは頭はいいので、考えて、少しは変えてみようと思うんだけど、変わらないから難しいわけです。大企業だとすると社外取締役もいるし、株主もいるし、変わりながら儲けていかないといけないけど、なかなか変わらないわけです。
これは、SaaSに大きく移行したマイクロソフトとか、(表向きは)R&Dと新規分野開発に大量のリソースを投入するGoogleだとか、思い切ってC向けとB向けを分社化したHPとか、超一流企業は別として、そんなにどこの国のどの企業も程度問題でしかないとも思います。
とはいえ、新しいビジネス始めよう!となった時にリソースの観点からは圧倒的に大企業が有利ですよね。人も、特に金もあるし、リスク管理とかリーガルなんかのツールも揃っている。
けれども、そこには罠があって、大人数集まって、さらに長いことやっていると上記を上回る弊害がおうおうにして起こる・・・・
だけど、ここに来て、ツールとして極めてディスラプティブなものがあらわれた。これは技術的には前からあるブロックチェーンの活用でしかないけれど、ユースケース的に極めて斬新かと思っています。
DAO =Decentralized Autonomous Organization=分散自律組織
https://ja.wikipedia.org/wiki/DAO
今の時点で、Wikipediaの説明がひどいw
色々広告が貼ってあるけど、こっちの方がいいかな。
https://www.bridge-salon.jp/toushi/dao/
方法:
- Phase1
- DAOの組成
- 会社側から一定額をDAOに出資
- トークンを作成
- 関係者全員が上から下まで、一人ひとりが同数のトークンを保有する
- 下記のような議論をDISCORD(もしくはSlack)で活発・頻繁に行う
- 「我社はこれからどの分野を狙いたいのか」
- 「我々は2〜5年後にどのようなビジネスを生んでいきたいのか」
- これらの議論こそが、会社の無形事業資産となる
- これが出来ていなくて、コンサルに投げている会社がどれだけ多いことか!
- 組織の膠着状態の打破のきっかけ
- これらの議論こそが、会社の無形事業資産となる
- 希望者はボランティアベースで上記プラットフォームの運営、ディールソーシング等に参加できる
- そのDAOからスタートアップ投資を行っていく
- 上記の議論で対象となったようなビジネスを行う優良スタートアップをDAOメンバーで選定し、一定期間、上記プラットフォーム(と必要に応じZoomなど)で議論を行う
- 最終的にはAragon Voiceのようなvoting toolで出資可否を決定、無投票は賛成票扱いとした上で、過半数や2/3の賛成で実施する
- 少額出資
- フィナンシャルリターンの扱いは個別に決定するが、継続するためには「損をしないこと」は重要
- なるべく多くの投資を実行し、将来の事業の参考のための情報収集ツールとする
- 協業などのストラテジックリターンの扱いは個別に決定する
- フォローオン投資の扱いも個別に決定するが、上記枠組みでは特に重視する理由はない
→とにもかくにも、大体フィナンシャル vs. ストラテジックリターンの部分で議論がぐちゃぐちゃになってしまうので、もう「将来のことを議論するための情報収集とそのコスト」くらいに割り切ってしまってはどうか - 異議がない限り、DAOに対する資金投下は自動更新とする
- DAOの組成
- Phase2
- 2年目想定
- 関係者の自己資金によるトークンの追加購入を許可する
- また、DISCORDの運営やディールソーシングへの協力に対し、少額のトークンを割り当てていく
- Phase3
- 2.5年目想定
- 世の中の動きが速いので、このくらいのスピードで進化していきたい
- 外部資本の導入
- イールドファーミングやその他の流動性インセンティブの導入
- 2.5年目想定
- 全体
- 以下の事項は要確認
- 会計上の扱い
- 税務上の扱い
- 各種リーガルイシュー
- 上記事項はDAOの黎明期ということもあり、確認に時間を要する
- 但し、そのノウハウ自体がweb3時代において企業にに競争力をもたらす、と理解すべき
- 常に言っている通り「やってみないと分からない」
- 以下の事項は要確認