Silicon Valley

スタンフォード大学 マインドフルネス教室

先日、スティーブン・マーフィー教授の「スタンフォード大学 マインドフルネス教室」を読みました。(アメリカにいる方も、amazon.co.jpからKindleで購入できます) 
それからというもの、毎日心穏やかに過ごせています。

特にストレスの多いビジネスパーソンにおすすめです。
時間の不足、周囲からの期待とプレッシャー、自分自信の期待と現実、上司部下との摩擦、噛み合わないコミュニケーション、一向に減らないメール、家庭との折り合い、健康、海外との時差、在宅勤務など誰しも色々持っていると思います。

この本は瞑想の方法論というより、本質的なものの考え方を改めて教えてくれます。教授とも一度お会いしてお話させて頂きましたが、飾らず、しっかりと質問にご回答いただき、頭と心の整理ができました。

個人的な整理としては、

  • マインドフルネスの究極は禅だが、実践がむずかしい。(結跏趺坐とか、体が固くてできないし、そもそも雑念が多すぎる
  • マインドフルネスは、心穏やかにして、今あることに感謝すれば、それでOK
  • マインドフルネスは内省の一つの手段である。
  • ビジネスパーソンとしては、呼吸に集中するマインドフルネスの手法と合わせて、体系立った(例えば紙に自分のやるべき方向やあるべき姿を書き落とす)内省は必要である

と整理しております。
これが完全に正しいかどうか分かりませんが、個人的にこれをもってマインドフルネスに近づけているのであれば、それはそれで、ということで。

以下は、著書からメモを取ったものの抜粋・要約です。

  • 自分の弱さを知ることで内省を行う謙虚さを育てられる
  • 会話が途切れて空白の瞬間が生まれた時に空白には意味があるとする日本の「間」の考えを活かせる。外交的な声をしずめ、内省的な声を高める
  • 授業に瞑想の実践も取り入れている→仕事中にも個々人が用いることも出来るのでは
  • 智慧とは、自分の内面を見つめ、自己認識を養うことから生まれる
  • 何もせずじっと自分の呼吸に耳を傾けるだけの時間を生活のなかに少し作れば十分。生きている瞬間の豊かさへの感謝が生まれていく。
  • とにかくペースを落とし、心をからっぽにする
  • ほとんどの人が多くの時間をその場に十分存在することを意識せずに過ごしている。不安、恐れ、怒り、後悔の念などに囚われ、過去や未来に捉えられてしまっている。「今・この瞬間」に存在して人生を深く送ることが出来ていない。
  • 「今」に感謝し、意識的に生きる技法である
  • 生き生きと輝く人を世の中が必要とし、自分ならではの役割を責任を持って担う。自分のすることを愛する。
  • 他人との比較は希望を奪うだけの非生産性的な行為。世の中には自分が望む何かについて、必ず自分より秀でた誰かがいる。願望のせいで、羨望という毒や嫉妬の苦しみを味わうことにもなりかねない。喜びを殺し、劣等感と優越感をもたらすのが、比べるという行為。本当の自分を受け入れて感謝するという道から逸れることである。
  • もっとも有能なリーダーは温かく、豊かに感情を表現し、民主的で人を信じて疑うことがなかった。
  • マインドフルネスの実践中は話をしないもの。外部との話だけでなく、内側でも話さない、考えない。
  • アメリカ育ちの私は、アメリカ人が日常会話においてさえ論理的であることを重視する点を、しっかり自覚するようになった。物事を分析して論理的に説明する能力は教育を受けた重要なしるしとみなされ、考えを論理的に述べられなければ軽蔑される。
  • 彼らは主張し、論じ、説き、相手を納得させ、影響を与え、自分の考えを伝えるということに実に長けている。
  • それにたいし、聞く能力のほうははるかに限られていると言わざるを得ない。
  • 我々は、聞くことに先んじて、次に言うことを考えている。自己を中心に据えた考え方のために、聴くことが難しくなっている
  • 本気で聴けば、たとえ平凡そうな人であっても、おもしろい話聴けたりする。
  • なにかもっと賢いことを言おうとしたり話題を変えようとしたりしないで耳を傾ければ、話すほうは穏やかな気持ちになる。
  • 一般的にほとんどの人は、注意が思考で占められ、実は聞いていない。相手の話よりも自分の考えに気持ちがいっている。
  • 人生には簡単な解決法など存在しない。なんであろうと価値のあることには必ず悪戦苦闘と忍耐がたっぷり必要になる。大切なのはひたすら粘り強く、全力を尽くすことだ。
  • 一日だけを生きて、一度に一瞬だけを味わう。
  • いつでも自分の望むようになるわけではないことを知り、現実をただそのまま受け入れられるようになることが大切。
  • 否定するかわりに受け入れる、抵抗するかわりに適応するという傾向は日本人の思考方法の基本。これは「積極的」あいまいさと言えるもの
  • もうわかっているという立場から質問がなされる場合、自分の考えの正しさを証明するような内容だけを受け取ることになる。すると結局、自分がきづくものは自分の説に沿うものばかりになると、アインシュタインも警告している。
  • 「有り難う」とはこの言葉の深い意味を表現するもので、自分が受け取った奇跡に対する驚きと畏怖の念を表している。これこそが感謝するという意味。
  • 自分を省みるこの能力が苦悩を生み出す原因なのだが、そこに自由への鍵も握られてもいる。内観は現実にたいする見方を広げる。真剣に取り組むらなら、内観は、私たちの生き方に関する素晴らしい洞察へと通じている
  • 一番の恐怖は自分が能力不足であることではなく、とてつもなく力を持っていることなのです。私達がもっとも恐れているのは自分の闇ではなく光の部分なのです。(マリアン・ウィリアムソン)
  • 不毛な消費主義に囚われ、靄のたちこめる憂鬱

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