Startup

たとえばの状況として、最近会社の若手〜中堅の離職者が増えていて、スタートアップ関係に転職しているとしましょう。

これっていうのは問題か? どうかはそれ自体論考する必要がありますが、ショートカットして思考すると、①採用コストは(非常に)高い→採用活動など ②教育コストも高い→研修費、その間の人件費 ③給与もそこそこ高い→残業費も管理職になるまではつくので ④細かい金勘定はさておき、「人材は人財」である→会社の基礎である

と整理すると、大きな課題にはなるでしょう。

一方で、どうしても企業人は内から考えがちですが、社会全体的に考えた時に、数字的には「それって世間並みの離職率?」←給与・報酬水準が平均より高いか安いか踏まえて という点とか、「社会としての人財流動性が高まるのは、アメリカのような構造が生まれそれはそれで良い」というポイントもあるでしょう。

とはいえ、個社の問題を考える、というお題だった時に、給与・報酬水準が高いにもかかわらず世間並みに離職率が上がってきているとすると、それはやっぱり上記の④人財観点から課題としてデカいわけで。

そうすると(一応理論立てて考えているつもりですが、抜け漏れとかあればみなさんと議論したいです)、なんで特定業界、今回はスタートアップ関係に限ってみますが、に移っているのかっていうのを論考する必要が出てきます。(自社のそもそもの問題を所与として、ということになりますが)

まぁ普通に考えれば、諸々のリスクやデメリットを踏まえてもスタートアップの方が「面白そうだから」(会社、業界、業態、プロダクトなど)というのが先に立ち、それが故に、また体制やリソース的にも「権限や裁量があり、自己成長できそうだから」が来て、それに続いて不確実性はありながらも「IPOなどexitイベントでのフィナンシャルなワンチャン(←流行語?)ある」てなところでしょうか。

最後の点は、数字的な検証のしがいがあるポイントで、個人的には結構しっかりとした給与・報酬を払う(特に外資ベースなど)スタートアップが増えてきていて、「大企業より少し下」くらいを提示するところもありますので、さらに上記した「exit ワンチャン」があれば、ネットネットでニュートラル、くらいに感じるケースも多いのかもしれません。ここら辺は数字で比較・検証できるので、誰かやってみてw

だから、今まで書いたことが正しければ、今の会社が「面白くない」「権限や裁量がなく、自己成長できない」から辞めちゃうんだということになりますね。

となると、どうしてそうなのか、っていうのを一旦おじさんたちの(私も45歳でかなり加齢臭の激しいおじさんです)頭の中を更地にして、その上で感情抜きで検証していかなきゃいけない。

としても、「頭の中を更地にして」の部分が各社極めて難しいんじゃないかなと感じます。

アメリカにいて思うのは、アメリカ企業だって多くの問題はあるし(たとえば、景気が悪くなるとすぐ人切っちゃうとか。これ、周りで実際にそうなった人を見てると、しゃれにならないほど大変だと感じるので、ミクロではかなりシビアな問題です)、なんだってプロコンあるんだけど、日本企業についてはこのグローバルですごく不確実性が高まっている環境およびテクノロジーによってもたらされた極めて速い競争環境において「もう本当にギリギリのところまで来ている」〜「ギリギリだけど、もう落ちちゃっている」とは感じるんですよね。

一般論だけしてもしょうがないので、個別には:

  • 新規事業の取り組み方
  • 権限移譲
  • コミュニケーションの仕方
  • パワハラ気質
  • 過度な集団主義
  • 海外市場への向き合い
  • テクノロジー下手
  • まだ強い終身雇用制から生まれる「もの言わぬ態度」 (vs.アメリカの転職ありき→必要なことは最後言う文化)
  • ローテーションによる専門性不足 (vs.海外の専門性重視)
  • Job descriptionなどの明文化の下手さ(その割にレポートなど細かい明文化は好き♪)
  • スタートアップとの向き合いの下手さ

なんかがデカいと思っています。

まぁ、個別には散々語られてますし、ちょっと新味がない内容になっちゃいましたけど、今回はそんなところです。上記した個別のポイントについてもうちょっと聞いてみたいとか、議論してみたいという方は各種SNSで@moshsuzuki、もしくはメールでmoshsuzuki@ までお問い合わせください。

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